ホームページ著作&協力『天網恢恢』

『天網恢恢』題名の由来

天網恢恢疎ニシテ漏ラサズ

「天網」とは、天が世の理非を正すために張った網のこと。「恢恢」とは、 広く、ゆったりとしているさま。「天網恢恢疎而不漏」(老子)とは、天網 の目は粗いが決して悪人を逃しはしない、という意味である。インターネッ トは人の手になる網であるが、使われ方によっては、天網に近い威力を発揮 することもあろう。

こんな難しい言葉は、当然私は知らない。という訳で、本箱の中を物色し たら、コンピュータ関係の書物の中から、『マンガ老荘の思想』野末陳平監 修を見つけた。何でこんな本が本箱の中から発掘できるのかは置いといて、 話をこの本に従って続けよう。

日本では「孔子」が有名であるが、孔子にいちゃもんをつけた、あるいは 思想を異にしたのが荘子、老子である。孔子、論語は、いかにも教科書的な、 道徳的なところがあって、どうもウサン臭さがただよっているように思うの は私だけだろうか。

「無為自然」を説いた老子は、私には受け入れやすい思想で、これからの 社会はこうでなくっちゃぁ、と思うことが多い。たとえば、

学を絶てば憂いなし

なんてのも、非常に良い。これは、知識を万能視することへの批判である。 大きな虚偽がうまれたのは、人間のさかしらがのさばりだしたからだ、とい う思想である。

私は、学問は学問でいいのだが、理論ばっかりで、実際には何もできない 人々が増えたなあと思う。プログラムの世界では、プログラム理論やアルゴ リズム理論とか、人工知能とかの理論面には詳しいのであるが、簡単な練習 問題程度の例題のプログラムさえ組めなくなった、あるいはちょっと応用や 複数の知識の組合せでできる程度のことができなくなっているように思うの だが、どうだろうか。

『天網恢恢』とインターネットとの関係については興味深いものがある。 それは、インターネットでは、情報がどうやっても外部に流れることである。 全ての情報を国などの権力機構が、インターネットの全情報を調査し、危険 な情報をチェックしようという動きが世界各国である。

政府や警察などは、エッチな絵や、暴力などに関する取締りをやりたがっ ているが、インターネットはたったそれだけのものではない。もっともっと 重要なことは、国、企業、官庁など今までの組織の壁を越えて、勝手に自由 に情報が交換されてしまうことである。

日本で、一番インターネットを潰さないと危ないのは、官僚機構であろう。 とにかく日本では、情報のコントロールを握り、簡単に情報に操られる人々 に対して情報捜査することで治めてきた事実がある。

官庁が情報、それも事実を極端に流したがらないのは誰でも知っていよう。 地方公共団体だって、全く同じである。今では、多くの企業がそうなってい る。というより、大企業の場合は、もう官庁の下請け、出先機関といった方 が適切な企業も少なくない。

そういう企業の中から、インターネットを通じて、事実を流しはじめた人々 も徐々にではあるが出てきつつあるようだ。実際、各企業や官庁などから、 内情を私にメールで知らせてくれる方々も後を絶たない。

日本社会は「タテマエ」で動いていたのであるが、残念ながらインターネッ トの世界は「タテマエ」は受け付けられない。それに、「タテマエ」で作成 したホームページなど、いかにもうちこそ「タテマエ」でやっているダサイ 企業ですという宣伝をやっているようなものである。

官庁や多くの大企業にとって、インターネットは今までに一度も体験した ことのない矛盾を露呈してしまいかねない危険なものである。殆どの企業は インターネットを扱いかねていることは、何時間かネットサーフィンでもし てみれば、子供だって分かる。

面倒な説明なんてどうでもいいのだ。インターネットが「天網」の役割を 果たし、世の阿呆な矛盾や真実を伝える手段になれば、O−157、エイズ 問題、その他もろもろの無責任な行政機構の改革に対する、日本で始めての 力になるかも知れない、という意味が込められているのである。

たとえば、こんな話を聞いた。誰でも知っている有名な会社の入社試験に 関する話である。

有名な会社であるから、応募者は非常に多い。試験の結果は、筆記試験も 面接試験も、成績上位者は女性ばかりで、成績順に採用したら、全員女性に なりかねない。何しろ女性の方が大学での成績も良いのは誰でも知っている 通りで、面接も女性の方が発辣としているので、どう考えても女性を大量に 採用するのが本筋である。

しかし、世の中も、自社の上層部もそんなことは認めない。女性が次第に 増えてくる程度は構わないが、殆どが女性になっては採用した側が問題にさ れかねない状況である。だから仕方が無いから、男性を多数、女性を僅かだ け合格にしたそうである。

この話、多分、大部分の大企業でも同じような結果が出ていることと思う。 女子大学生が就職に苦労している最大の問題はこういう点にあるのは疑いも ない、知ってはいても言わない、書かない、そんな事実は無かったことにし ていることである。

1996年8月21日


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