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書名 | iモード・ストラテジー 世界はなぜ追いつけないか |
|---|---|---|
| 編者 | 夏野剛 | |
| 発行日 | 2000年12月 | |
| 発行元 | 日経BP企画 | |
| サイズ | 四六判、263頁 | |
| 定価 | 1905円(税別) | |
| ISBN | 4-931466-28-1 |
今、iモードが非常に注目を集めているから読んだのではなく、ちょっと別の目的で 読んだのであるがが、感想を書いておこうと思う。
iモードがどのようにして成功したかを、複雑系理論を根拠に話を進めているのが特徴であった。 ただ、あまりにも複雑系理論に頼りすぎているというか、理論的根拠を複雑系理論に求めるあまり、 本質が隠れている気がした。
本書を読んでの感想は、いわゆる成功の方程式どおりにきっちりやったら成功したという感じである。 新しい技術を使わず、きっちり押えるところは押えて、無理をせず、世の中がいかに保守的かを 考えて、ステップバイステップで行動したということで、ごく普通の成功の図式だと思う。 ただ、こういう風に、成功の図式を描いて、それを実行できたことの方が称賛に値するのでは ないだろうか。
そこで考えられるのが、やるべきことが分かっているときに、それをそのまま説明しても まず納得してもらえない。世の中、昔から、どうすれば成功か分かっていても、それを 実行できないで失敗することがほとんどと思う。どうすれば良いかが分かったら、 それをどうやって人々を納得させて実現させるかが重要である。それの根拠として 複雑系理論を使うのは現状では極めて有効かと思う。
実は、iモードを作り上げて来た、本書のまえがきを書いていた榎啓一氏(NTTドコモ取締役) の話を今年初めにじっくり聞く機会が東京秋葉原付近の某所であった。 そのとき、複雑系の話はなかったが、内容は本書とだいたい同じであった。 複雑系は、夏野氏の専売特許のようだ。
サブタイトルに「世界はなぜ追いつけないか」とあり、この点についても若干書かれていたが、 印象に残るほどのことは無かったので省略するというか、忘れた。 理由よりも、iモードを世界に広めることを行うが、そのまま海外に持っていっても成功はしない ので、各国の事情に合わせて導入するため、海外に関しては直接出て行くのではなく、現地主義で、 金銭的および技術的バックアップに徹するというのもなかなかである。
503i までの話が中心で、次世代のW-CDMAまでが書かれていて、もう完全に予定が組まれている 程度のことまでしか書かれていない。このあたりもずいぶん堅実な書き方である。 iモードで将来どうするのか、そういう肝心なことは書かれていなかったが、経営戦略上当然か。
2000年12月28日