
市販された最初の日本語ワープロを知っているであろうか。それは、197 8年(昭和53年)の年末のことであった。名前は JW−10 であり、定価 は何と 630万円 であった。発売は、東芝からであった。
とにかく、このワープロ(当時はそんな言葉も無かった)が、商用ワープロ として最初に世に出たのである。そして、その後、どんどん進化あるいは変化 して現在に至っているのである。そして、この本は、その 日本最初のワープロの開発者 が開発経緯などについて書いたものである。
非常に薄い本であるが、開発経緯からワープロ全般についてまで広い範囲に ついて書いてある。
1 世界初のワープロ
最初に、ワープロを東芝総合研究所で開発した経緯がある。まず、どうして ワープロなんてものを作ろうと思ったか。そして、いろいろあって、最後には 商品化のために色々な人に試作品を評価してもらった話などがある。注目すべ きは、最初から24ドットの漢字を採用したことであろう。
2 日本語ワープロとは何か
日本語ワープロについて、少し歴史的な、つまり昔の話も織り混ぜての、ご く一般的な話である。極めて普通の話であり、ワープロについてごちゃごちゃ 書いている本には大抵書いてあることであり、詰まらなかった。
3 日本語ワードプロセッサの歩み
題名の通りであり、9ページだけの簡単な歩みが書いてある。資料的には価 値があるだろうが、ありきたりのことしか書いていなかった。
エピローグ 研究開発の進め方について
ここはインタビュー形式になっているし、付録みたいになっているのである が、一読の価値がある。日本語関係の研究所が、いかに日本語についての情報 をきちんと調べ挙げていないかが述べられている。これは、残念ながら、20 数年前と今も殆んど変わらない寂しい状態である。
森氏は、「問題は難しいところから取り組む」ということを常に心掛けてい るそうである。
全体的な感想としては、最近のことなどどんどん省略していいから、もっと 開発当時の状況とか、経緯とか、世間の反応とか、その辺りだけに集中してい ればもっと良かったと思う。