洋書独書記録
LEONARD MLODINOW
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書名 |
EUCLID'S WINDOW
The Story Of Geometry from Parallel Lines to Hyperspace |
| 著者 | LEONARD MLODINOW |
| シリーズ | PENGUIN BOOKS, Mathematics/Popular Science |
| 発行 | 2002年、Allen Lane The Penguin Press |
| 頁数 | 306ページ |
| 定価 | U.K. £ 7.99 |
| ISBN | 0-14-100909-8 |
本書は、表紙を見て気に入って購入したものである。
だから、中味を全然確認していなかった。題名からして、ユークリッド、
そして平行線公準が成り立たない非ユークリッド幾何学に話が及ぶのであろう
程度を勝手に予想していただけだった。
それ以前に、洋書なので、易しい英語でないと読めないと思ったのだが、
表紙のかわいらしさに惑わされて、やさしい英語で書かれていると勘違いしてしまった。
英語そのものはそんなに難しい訳ではないのだが、やはり数学史、幾何学史、
そして宇宙論史ということにまで及び、知らない単語が結構いっぱいでてきてしまって、
かなり辞書を引かないと読めないのであった。これは凄い勘違いだった。
でも、高い金を払ったので、何とか元を取らねばということで、読み終えた。
以下は本書の構成である。五部構成。
- The Story of Eulid
-
最初はユークリッドで始まるというか、それ以前から始まり、
ギリシャ、ローマ時代の英雄から、アレキサンドリアの図書館の話などが延々と書かれている。
A Beautiful Woman, a Library, and the End of Civilization というところで、
アレキサンドリアを代表する女性数学者の話が出てくる。
最後は殺されて、アレキサンドリアもダメになり、幾何学にとって暗黒時代が始まったそうだ。
- The Story of Descarte
-
長い暗黒時代の後に、座標が導入され、数と図形が結びついたことが紹介されている。
もっと分かりやすく言えば、統計グラフの話が出てくる。
当時、既にヨーロッパでは大学が各地に出来はじめているのだが、
その実体はかなり悲惨なもので、教授といっても生活は相当大変なものだったらしい。
In Leipzig, the university eventually found it necessary to promulgate a rule
against throwing stones at professors.
という一文まであった。大学が教授を雇うというより、学生が教授を直接雇って
教えてもらうという、要するに家庭教師レベルでしかなかったそうだ。
また、デカルトは病弱なこともあり、毎日寝てばかりいたけれども、
現在において、同時代の彼を批判していた誰よりもデカルトの影響力の方が強いという話は
色々考えさせられる。
寝てばかりても後世に影響を残せるくらいになるには、いったいどうすればよいのだろうか。
- The Story of Gauss
-
ここからが、非ユークリッド幾何学の話になってくる。
ガウスは歴史上有数の数学者であるが、発表をことごとく拒んだことでも知られ、
死後様々なことが発見されたという。
Lobachevsky, Reimann, Hilbert とか、非ユークリッド幾何学でよく見る名前がいっぱい出て来る。
- The Story of Einstein
-
ついにアインシュタインの登場である。
当然、特殊相対性理論から始まり、一般相対性理論、そして統一理論へと進むのだが、
もちろん良く知られるようにうまく統一できないままになってしまう。
こういう幾何学とからむ話だけでなく、光電効果とか、他の話も色々出て来る。
そういう訳で、このあたりまで読み進んでくると、幾何学の本だったのが、
何だか物理に近い話が増えてきてしまい、
読み始めに勝手に想像していたことと何だか違うけれど、まあいいか、となってしまった。
- The Story of Witten
-
アインシュタインは一般にも有名だろうが、ウィッテンはそれほどでもないのではと思う。
現代を代表する物理学者なのだが、物理学を勉強して物理学者になった訳ではない。
歴史を専攻し、物理は趣味程度であったが、趣味でやっていたからこそ世界的な物理学者になった。
しかし、受賞したのはノーベル賞ではなく、数学者に与えられるフィールズ賞である。
アインシュタインもろくに大学で勉強した訳でないので、やはり大学で勉強しない方が
世界的大学者になるには必要との見解も書かれていた。
これはとても重要なことかと思う。
宇宙は「ひも」から出来ているという、理解しがたい理論があるのだが、
M理論、ひもでダメなら膜理論、そして超弦理論(super string theory)へとなっているらしいが、
とにかく20世紀後半の物理学はよく分からない。
すべてのものはヒモの振動で説明できるらしい。でも、本当か?
最近の理論は、そもそも実験で確認することがおよそ不可能というところが素晴しい。
理論武装するには、実証実験できない方法で行うべきかという深い戦略に基づいている
最近の物理学は、理論武装の研究には役に立つのではないかと思う。
ということであるが、私の英語力からしてどこまで正確に読み取れたかは不明であるので、
各自で読んで確認して欲しいものである。
2005年12月29日
洋書独書記録