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書名 | 理科系の作文技術 |
|---|---|---|
| シリーズ | 中公新書 624 | |
| 著者 | 木下是雄 | |
| 発行日 | 1981年9月25日 初版 2008年3月31日 61版 | |
| 発行元 | 株式会社中央公論新社 | |
| 頁数 | 新書判、244頁 | |
| 定価 | 700円(本体) | |
| ISBN | 4-12-100624-0 |
この本を知らない人がいるだろうか。少なくとも大学生、大卒なら、この本くらいは読んでおいた方が良い。 卒論、レポート、研究費のせびり方、その他いろいろな書き方の技術が示されている。 どんなに内容がよくても、書き方がダメだと、結局はダメになるので、作文技術は重要だ。
本書は、ベストセラーで、その筋では非常に有名な本である。 というか、理系の大学生、大卒でこの本を知らなければ、偽学生だと思って間違いない。 あるいは、ちっとも勉強していないかである。
仕事を始めたころ、どうしても大量の文書を書く必要に迫られた。 しかし、とんでもないことに、日本の大学はおろか、日本の学校(小学校から大学まで)では、 ちっとも作文技術を教えていない。教えているのは、抜粋された作家ですら理解不能な文学教育である。 そんな意味不明なことは意味不明のままでよいのだが、 様々な情報をきちんと書くことを迫られて、やむなく片っ端から読んだ。
そうして、必要に迫られて作文技術を磨いて、何とかなったかどうか知らないが、 書く作業は何とかこなせるようになり、そうしたら、また作文技術の本を読まなくなってしまった。 これではいけないと思い、この本を読んだ訳である。
この本は、作文を書くときの姿勢をちゃんと書いてくれている。美文を書く必要はなく、 短く切れ切れで、余分な飾りのない文を書けと。まさにそのとおりだろう。 語尾に「ぼかす表現」を入れてはいけない。きっぱりと言いきらないとダメ。 ぼかすくらいなら、初めから書くなと。
誤解されないように書くことが重要なんだ。日本では、正しく書かれていて、それが誤読された場合、 誤読した奴が悪いと判断される。何とも執筆者の勝手な横暴がまかり通っている国である。 そんなことでは当然ダメだし、そんな考えが世界に通用する訳がない。 とにかく、誤解しないように書くことが重要なのだ。 装置の取扱い説明書を誤解して、誤操作して爆発したりしたらどうするんだ。
日本では、文章は長々と、全体を読み終えてはじめて内容が理解できるように書く。 しかし、海外(英語世界)では、どの瞬間で読むのを止めても、読み終えたところまではちゃんと 理解可能に書かなければ文章ではないと。
それから、事実と意見を明確に分けるようにと。 客観部分・主観部分が明確でないと、わけの分からない文章になる。
アメリカの作文教育、それも小学校から大学に至までの話が、本書のあちこちに登場する。 日本では、作文教育というと、何らかの感想を書く、とくに読書感想文を指すことが多い。 そして、その内容も、自分の本当の感想ではなくて、面白かった、ためになったという 内容でなくては読書感想文でないような圧力がある。 これでは作文教育は死滅している。これでは道徳か宗教だ。
久々に読んだが、これでまた気持ちを新たに、書き続けることができそうだ。
なお、本書は、さすがに30年前に書かれ、2001年に改訂されているが、さすがに 例が古かったり、コンピュータやインターネットへの配慮は少ないので、 そのことさえ自分で注意して読めば、とても役立つであろう。