![]() |
書名 |
前頭葉は脳の社長さん? 意思決定とホムンクルス問題 |
|---|---|---|
| シリーズ | BLUE BACKS B1546 | |
| 著者 | 坂井克之 | |
| 発行日 | 2007年3月10日 | |
| 発行元 | 株式会社 講談社 | |
| 頁数 | 新書判、257頁 | |
| 定価 | 940円(本体) | |
| ISBN | 978-4-06-257546-1 |
このところ、どうも脳科学にはまってしまったかも知れない。 そのくらい、最近は脳科学の展開が面白い。
脳を鍛えて賢くなるための怪しい本が多数出ているが、 本書はそういう類の本ではなく、脳科学の本である。 脳を賢くするために読むのには向かないし、 そもそも本を読んだくらいで脳を賢くできるのであろうか。
さて、本書は、脳味噌の前の部分である前頭葉の働きを中心に説明している。 一言でいえば、人間の意思決定は前頭葉で行われているのか否かについて書かれている。 脳の中にはホムンクルス(こびとさんのこと)が住んでいて、 これが人の意思を決定しているのだと。
さて、実際にどうなのかは、本書を読んで確認して欲しい。 まあ、題名に「?」がついている位だから、結論は違うというのは予想できるが、 どうちがうだろうか。
脳科学の実験には、猿が使われている話がよくでてくる。 さすがに生きた人間の脳を使っての実験の場合、脳に薬品等で直接影響を与えて 実験するのは倫理的に難しいので、そのような実験には猿が結構使われているらしい。 ということは、猿は、脳科学者が近付いてきたら、脳にいたずらをされる可能性が 高いので、できれば逃げるべききかも知れない。
自分(猿)の意思とは関係なく、外部から勝手に指示を与えて行動をとらせたり、 さらには意思決定を、本人の意志とは関係なくさせてしまうことも可能らしい。 脳の配線を自由にあやつれれば、妄想でも何でもつくりあげることが可能だ。
脳科学は、人間を知るという上での究極の学問かもしれないが、 それは、人間を操れるということにも通じるようだ。 面白い学問は、危険と隣合わせであるのは昔からだから、致し方ないのだろうか。
本書は、前頭葉のみの解説書になっているので、ブルーバックスとはいえ、 脳科学の1冊目として読むと、きついかも知れない。 最近の脳科学についての雑学程度は前提になっているといっても良いだろう。
まだ脳科学の本はいっぱいあるので、じっくりと読んでいこうと思う。
2007年4月8日