上坂冬子といえば、今やルポルタージュで有名であり、もういい年をしたお ばさん(昭和5年生まれ)である。その著者が、デビュー当時のいきさつを書 いたのが本書である。
もともとはトヨタ自動車工業のベテランOLで、無理を言って東京支店に転 勤させてもらったのであるが、職場の人間模様を詳細に書いた日記的なものを 雑誌に掲載したのがきっかけで文筆活動に入っていった。
本書の中では、「OL」ではなく、「サラリーガール」という呼び方がされ ている。サラリーガール、それも「お茶汲み」の人の記録ということで世の多 くのサラリーガール達から歓迎された。「サラリーガール」たちの日頃のウッ プンを存分に書きまくってくれた仲間が現れたのだから、サラリーガール達に とってこんな楽しい読み物はない。
しかし、それが元で、会社に居ずらくなって、転職したりする顛末を書いて いる。まあ、ドタバタだから面白い。
でも、文筆家などというものは、世間では先生先生ともてはやしたりするよ うであるが、注意した方が良いことも分かるだろう。意地の悪い先輩のことを 「ヒス子」と呼んだり、上司の態度をボロクソに書いたりするのである。この 種の人種が身の回りにいたときには気をつけた方が良い。