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書名 | 楽天主義のすすめ |
|---|---|---|
| 文庫 | 青春文庫 え−8(青春出版社) | |
| 発行 | 1999年3月20日 | |
| 頁数 | 205ページ | |
| 定価 | 467円(本体) | |
| ISBN | 4-413-09103-5 |
「狐狸庵閑話」からの再録というか、そのままというか、そういう本である。
冒頭に、以下のようにある。
われは世捨て人という訳で、ほんまにくだらんことが書き連ねられたアホらしく、馬鹿をちゃ んと出した面白い本である。
題して狐狸庵閑話という。狐狸庵とは江戸日本橋を離るること八里、柿生 の村とよばるる山里に世を厭って結んだ我が庵の名であるが、また、この狐狸 庵閑話は、コリャ、アカンワともお読み頂きたい。
文庫編集部から、巻末に注が入っている。
この文庫化にあたり、本文中、今日の観点から見ると一部差別的ととられか ねない表現がありますが、著者がすでに故人であるという事情に鑑み、原文ど おりといたしました。氏の表現では差別ではなく区別となっていて、差別をしているのではなく、 区別をしているとのことである。
でも、そんなことより、ユーモアを楽しむための本であり、本書を読んで楽 しめれば良いではないかとの楽天主義者向の本である。本書を読んで、あちこ ちに突っ込みを入れたくなるとか、反発を大いに感じるようではまだまだ楽天 主義までは遠いかと思われる。
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書名 | 万華鏡 |
|---|---|---|
| 初出 | 朝日新聞の連載「万華鏡」 | |
| 文庫 | 朝日文芸文庫 え−5−1 | |
| 発行 | 1996年4月1日 | |
| 頁数 | 254ページ | |
| 定価 | 466円(本体) | |
| ISBN | 4-02-264102-9 |
本書は、朝日新聞の「万華鏡」に連載されたエッセイを集めたものである。 それだけではなく、新聞紙上でお便り下さいということで送られた多数の読者 からの手紙も掲載されている。
内容的には、病気やホスピス、さらには精神世界や転生の話などが多く、 気軽に読み飛ばせるエッセイばかりではなかった。しかし、ところどころに 狐狸庵的なエッセイも混ざっていて、バラエティに富んだエッセイである。 純文学からユーモアまで一気にまとめて読めるが、さすが痛快に読めるとは いえない。
遠藤周作の本は、純文学の暗いモノトーンの表紙の本と、狐狸庵の明るい表 紙の本にたいていはっきり分かれているので、表紙を見ただけで買うべきか買 わざるべきかが瞬時に判定できて便利である。この本は純文学的表紙であるの で、私は一般に敬遠するタイプの本なんだが、どういう訳か買ってしまった。 しかし、最近まで本箱の肥やしになっていた。
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書名 | 周作塾 読んでもタメにならないエッセイ |
|---|---|---|
| 初出 | 「ペントハウス」1984年5月号から1987年12月号まで 「周作塾」のタイトルで連載 | |
| 文庫 | 講談社文庫 え−1−42 | |
| 発行 | 1998年5月15日 | |
| 頁数 | 273ページ | |
| 定価 | 495円(本体) | |
| ISBN | 4-06-263709-1 |
遠藤周作というより狐狸庵の本は多数読んだし、文庫本も数十冊持っている。 つまり、純文学の方ではなく、ユーモアエッセイの類である。 しかし、いずれも読書感想文を書き始める前に読んだもので、色あせた感想文 を書くのは気が引けるので、ファンではあるのだが、今まで取り上げなかった。
さて、本書は、副題に「読んでもタメにならないエッセイ」とあるが、こう いう題名こそが狐狸庵のユーモアであり、本屋で見つけた瞬間に買うしかない と思わせるところである。
毎号、読んでもタメにならないエッセイということで連載するわけであるが、 なかなか読んでタメになってしまうことを書いているのである。「読んでタメ になる」なんて本でタメになる本はまずないのであるが、自ら「読んでもタメ にならない」と書いているということは、読むに値するのである。
「ペントハウス」の連載なので、当然若い男性読者が多いことを念頭に書か れていて、しっかり人生を経験された遠藤周作こと狐狸庵先生が、ユーモアたっ ぷりに話を聞かせるスタイルである。
初回のテーマが「名前を二つか三つ持とうよ」である。遠藤周作という名前 では純文学は書けても、ユーモアエッセイなどは出来ない。それで、狐狸庵と いう号を考えたとある。そのユーモア、滑稽感ある名前のおかげで、しろうと 劇団「樹座」や、音痴合唱団「コール・パパス」をはじめ、本名ではできない 多くの活動が出来、生活のディメンションを拡げることができた、と。
ところで、狐狸庵(こりあん)の本当の意味は、「こりゃあかんわ」だった ようなことを読んだような気がするが、思い出せない。
1998年5月24日