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書名 | 本の雑誌風雲録 |
|---|---|---|
| 文庫 | 角川文庫 め−1−3 | |
| 初出 | 1985年に「本の雑誌社」にて書き下した単行本 | |
| 発行 | 平成10年10月25日 | |
| 頁数 | 243ページ | |
| 定価 | 476円 | |
| ISBN | 4-04-197403-8 |
「本の雑誌」と言えば、分る人には分るが、そうでない人にはさっぱり分ら ないと思うが、この雑誌から出てきた著名な作家は何名もいる。 編集長の椎名誠、 事務員の群ようこ、 発行人の目黒考二、イラストの沢野ひとし などである。
遊び気分で始めた雑誌であり、最初は社長自ら鞄につめて、電車を乗り継い で書店に配るということをやっていたのである。本書は、その「本の雑誌」の 配本について、設立前から設立10年ころまでを書いたものである。
本や雑誌というのは、なかなか書店に置いてくれないものである。大出版社 くらいになれば出せば書店の良い場所に置いてくれたりするのだが、始めたば かりの出版社など、よほどのことがない限り相手にはされない。私も、すこし ばかりは書店に対しての営業もやったので、その辺はとっても良く分る。
「本の雑誌」は、直販といって、出版社が直接書店に本を配りに行くシステ ムを長らく取っていた。といっても、全国津々浦々までそんなことが出来るわ けではなく、それは東京近郊までであって、地方は出版流通をちゃんと利用し ていたのである。
学生アルバイトではなく、学生の「助っ人」を利用しての配本であり、手当 ては飲み代や食事代という本当に「助っ人」に頼っての配本である。見掛けは 安そうにみえるが、これが本当に安かったかどうかは分らない。学生を使うと 社員と違い、さまざまな問題が発生する。ソフト会社とか出版社にいたころ良 く学生アルバイトを使ったりしたが、色々な意味で大変である。そして、その 大変なところ、出版界の表の華やかなところだけではなく、裏の倉庫係に相当 するところがいっぱい書かれている。
本や雑誌を作成するのは、DTPのおかげで、今ではとても簡単になってしまっ た。ただし、売れるものを作るのはかなり大変であり、売れても売れなくても 事務処理や、紙という重量物の扱いは大変なのである。その辺の裏方について 知りたい方には良い勉強になる本かと思う。
読後感は、「今の学生がこういう助っ人になってくれるのかな」である。
1998年11月16日