読書感想文コンピュータ編アルゴリズム
書名ナノピコ教室
プログラミング問題集
編者駒木悠二+有澤誠
発行日1990年3月25日
発行元共立出版株式会社
頁数A5版、250頁
定価2750円
ISBN4-320-02504-0
書名続ナノピコ教室
プログラミング問題集
編者駒木悠二+有澤誠
発行日1991年3月15日
発行元共立出版株式会社
頁数A5版、254頁
定価2750円
ISBN4-320-02541-5

『ナノピコ教室』といえば、コンピュータ雑誌の草 分けである『bit』に20年間も出題され続けた問 題のことである。『bit』は確か1969年の創刊で、その当時もちょっと したコンピュータ雑誌の創刊ブームであったが、今までずーーーーと続いてい るのはこの1誌だけの筈である。

そういう雑誌へ長い間出題され続けた問題は、非常にハイレベルなものが多 かった。どちらかと言うと、ハイレベル過ぎて、ちょっとコンピュータを勉強 した位では解けず、応募者ゼロも少なくなかったと聞く。

個々の問題についての解説まではしないが、パズルが多く取り上げられてい るのは素晴らしいことである。もちろん、ナノピコ教室の出題者は、日本を代 表するコンピュータ研究者達であり、それらの優秀な方々が如何に熱心にパズ ルを取り上げていたかは良く分かる。

このところ流行っているペンシルパズル関係だけを拾ってみても、

  1. カックロ(CROSSSUM)
  2. ナンバーリンク
  3. 数独
が入っている。その他のパズルも含めると、出題の過半数がパズル関連では ないかと思われるような状態である。

つい最近まで続いていたように思っていたが、もう終ってから6年も経って しまったようだ。解説やプログラムを見ていると、なかなか時代を感じさせる ものがあり、ナノピコ教室で育った世代には懐かしい書であろう。

今の日本のコンピュータ界、ソフトウェア業界は、余りにもアルゴリズムを 軽視している。実際、本屋へ行っても、まともなアルゴリズムの本は、まず置 いていない。せいぜいが数値計算をより効率良くする方法とか、ソートとか、 その守備範囲は極めて限定されていて、実際のソフトウェア開発の参考には不 十分すぎる。さらに、アルゴリズムに関する限り、殆どの本が翻訳であるとい うことが残念である。

しかし、ナノピコ教室は、日本の一流のコンピュータの使い手たちが、よっ てたかって出題し、解答してできたものであり、日本のコンピュータの歴史を 語るのに外すことはできないだろう。でも、こういうことを日本では続けられ ないのが、日本でコンピュータソフトの重要部分を結局開発できないのと大い なる関係があるのではないかと思っている。


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