読書感想文コンピュータ編

書名プログラミング言語C++ 第2版
著者B.ストラウストラップ
訳者斎藤信男/三好博之/追川修一/宇佐見徹
発行日1993年8月31日 初版1刷発行
発行元株式会社トッパン
サイズA5判 889ページ
定価6900円
ISBN4-8101-8047-6


■生い立ち

本書は、C++の生みの親であるB.ストラウストラップ博士が書いた、いわ ゆる最も正統なC++の本です。そういう意味で、本書は、B.W.カーニハン /D.M.リッチーのプログラミング言語Cの C++バージョンです。

そういう意味で、本書は、C++を志そうというプログラマは本棚の中央に 飾っておかざるを得ない本です。

■内容

まず、内容以前の問題として、その分厚さが重要です。何しろ、約900ペー ジもあるのですから、凡人に読めるはずがありません。私も、本書を手元に置 いてはいますが、通して読んだことはありません。

この厚さのため、持ち歩きには向きません。通学通勤電車の中で読むのは困 難です。これは極めて重要なことであります。

つぎに、価格が結構高い(6900円)。ページ数を考慮すれば、けっして 高い訳ではありませんが、本屋で買う時、躊躇せざるを得ないでしょう。

本書は、実は、3部からなっていると考えた方が良いでしょう。私の勝手な 分け方(部)を紹介すると、次のようになります。

第1部 基礎編
 1 C++ひとめぐり
 2 宣言と定数
 3 式と文
 4 関数とファイル
 5 クラス
 6 派生クラス
 7 演算子の多重定義
 8 テンプレート
 9 例外処理
10 ストリーム

第2部 実践編
11 設計と開発
12 設計とC++
13 ライブラリの設計

第3部 リファレンス編
 R リファレンスマニュアル

「第3部 リファレンス編」は、B.W.カーニハン/D.M.リッチーの「プログ ラミング言語C」と同じ形式のリファレンスです。まあ、堅苦しい書き方で、 「分かる人には分かる」書き方といえます。

第1部は、C++言語の文法を解説しています。C++言語は、C言語に比 べて抽象化が進んでいるので、一通りの解説をするだけでも大変です。この部 分を450ページ程度にまとめているのですが、結構きつい、しんどい、読む のに努力がいる人が殆んどではないかと思えます。本書は、1冊で、C++の 全て、少なくとも文法の全てを書き込もう、詰め込もうとしているので、消化 不良を起こす人は正常な、まっとうな人間です。つまり、本書は、入門書では ありません。

さて、第2部が著者が頑張りすぎたのではないかと思われる個所です。著者 は、「まえがき」に書いているのですが、この部分は、「設計とソフトウェア 開発の課題について議論する」ことを目的としています。この部分は確かに重 要なことを扱っているのでありますが、そこまで踏み込んでしまうと、1冊の 本で説明しきれるものではありません。経験もないと、この部分はチンプンカ ンプンになってしまうでしょう。

という訳で、本書は、C++の非常に重要な本ですが、この本だけでC++ を勉強するのは、ほぼ全ての人には困難でしょう。この本がやさしく感じられ る人は、もうコンピュータサイエンスの研究者といっていいかも知れません (ちょっと言いすぎかな)。

だから、まあ、本書は購入し、他のC++の本ではちゃんと書いていない場 合に参照するのが実際的な使い方でしょう。まあ、この本の全部を理解できな くても、C++のプログラムを組むのには、さほど不自由は感じないはずです。


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