読書感想文コンピュータ編

書名CプログラマのためのC++入門
著者柴田 望洋
発行日平成4年 8月25日 初版第1刷
発行元株式会社 ソフトバンク
サイズB5判 338ページ  ハードカバー
定価2900円
ISBN4-89052-339-1


なかなか良くできた本です。もう初版から既に3年以上経過していますが、 入門書としてこれに匹敵するものは今でも殆んどないのではと思われます。 何、この本が非常に優れているというより、他の本が余りにふがいないレベル だということです。

著者が日常C++を使いこなしていることが、本文からも伺えます。これは、 他の著者の本でも言えることで、ちゃんとプログラムも書ける著者ということ が分かります。(当り前の事なのだけれども、これが以外に少ないのだ!)

本書は、まず九州大学工学部の著者の研究室で、学生の指導学習用としてま とめたテキストに基づいているとのことである。また、多くの人のチェックを 経て世に出たと書いているが、内容を見る限り、十分信じられる。(だいたい、 ほとんどの本の最初の「謝辞」の内容など当てには出来ないものなのです。)

レベルは、本当に入門者用です。なんとなくC++的なプログラムが組める ようになるまでを説明しています。例は、短いもので、かつ実際にも起こりう るようなもので、かなり適切と言えるでしょう。

入門書の割には、テンプレート、多重継承、仮想関数なども扱おうとしてい るのですが、さすがページ数が無いのに無理をして圧縮しているので、このあ たりは説明不足と言えましょう。何もかも説明しようとして、無理しています。 C++は多数の機能があるので、入門レベルの範囲をもっと絞り込んだ方が望 ましい。

この辺りは、入門書ではなく次の段階の「実用書」とか、そういうレベルな ので、別の本でじっくりと説明すべきでしょう。

プリントアウトに、ストリーム出力をほとんど使わず、printf で押し通し ているのは、ちょっとどうもと思う。最後の章として「ストリーム」を設けて いて一応の説明はしているし、たった1ページあまりであるが文字列ストリー ムの説明がきちんと行われているのは、極めてツボを押えていて、著者の有能 さがうかがえるのであるが、いかんせん短すぎる。

ところで、この本は、私が2年前、C++の勉強を始める時に使用した本で す。まともな本だったので、一応最後まで読みました(読めました)。


それにしても、ソフトバンクは望洋博士のような優れた本を出すかと思うと、 林晴比古のような中身が空っぽの本を出したり、節操の無い出版社ですね。 (出版社というところは、まあ、世の常識から言えば節操などあるはずのない 世界だから、こんなことで驚いてはいけないな。元出版業界人より)


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