読書感想文コンピュータ編インターネット
書名デジタルエコノミー時代の 電子マネー
著者 須藤修(東京大学社会情報研究所)
山下廣太郎(日立製作所)
眞壁修(さくら情報システム)
発行日1998年11月9日
発行元株式会社経済法令研究会
サイズA5判、195頁、
定価1400円(税別)
ISBN4-7668-4050-X

インターネット上で決済してしまうシステムについてちょっと知っておくべ きことができて、本屋へ行ってみた。十冊余りあったが、この分野は状況の変 化が激しいので、あまり古い本は駄目である。

渋谷の大手書店へ行って、棚に並んでいるのを順番に見ていった。奥付を見 ると、ほとんど全てが1996年発行になっていて、さすがにこれでは読んでも時 間の無駄になる。それにしても、どの本も1996年ばかりなんだと思うような状 況であった。猫や杓子のような評論家が電子マネー本を出して、何も分からん ビジネスマンをだまくらかして売った時期と思えた。とにかく、それ以降に出 版されている本が絶無に近い。

で、渋谷で書店のハシゴをしていたら、半年ほど前に出た本にやっと出くわ した。他に適当な本もなさそうだし、内容も入門書ながら、それなりのことは 分かるかと思った。

「まえがき」の最後のほうに、

ところで、経済法令研究会の吉川和美さんには、以前、同じ3人の執筆によ る『図説・電子マネー』(1996年)を企画・編集していただきました。幸いなこ とに『図説・電子マネー』は好評を得ることができ、その後2年を経過した現 在の状況を踏まえては、との彼女の熱心な働きかけで、そのときと同じメンバー で、須藤、山下、眞壁という布陣で電子マネーをめぐる最新の動向について、 改めて本を書くことになりました。
と書いてあったので、少しは評価して、この本をとりあえず買って帰った。 情報は必ずインターネット上の最新情報で補強する必要があると考えつつ、妥 協して買ったのである。

そんな技術的な本ではないから、ぱらぱらと読み始めると、何じゃこの本は、 と思ってしまった。「まえがき」とはうらはらに、1996年以降の動向の解説や 資料は入っているには入っているが、少ない。それよりなにより、1996年のこ とが予定と記述されてあるが、何じゃ、これは。もう、確信犯ではないか。

明らかに、『図説・電子マネー』(1996年)にちょっとだけ手を加えて出そう とした意図が丸見えである。最低限直さなければならない場所(1996年を未来 形で書いてはボツである)も直し忘れてしまい、ボロが出てしまった本である。

という訳で、それなりのことは書いてあるものの、古い本である。

それから、まえがきは、はっきりいって『詐欺』である。こんな物を書く奴 が電子マネーに関与しているようでは、危なくて電子マネーが使えなくなるで はないか。電子マネーでは「成り済まし」対策は重要であるとか書かれている 本が、自分は「成り済まし」をやっているのはどういうことか!電子マネーの 普及にストップをかけるようないい加減な行動はいかん。

1999年6月26日


読書感想文コンピュータ編インターネット