読書感想文コンピュータ編インターネット
書名祝入門 TCP/IP
監修者荒井美千子
著者 マーシャル・ウィレンスキー/キャンデス・ライデン
訳者橘康雄
発行日1996年5月31日
発売元ソフトバンク株式会社
サイズB5変型判 271ページ
定価1800円
ISBN4-89052-963-2

荒井美千子さんのサイン


さて、TCP/IPの本も一杯出ている。読んでも何の知識もつかないもの から、専門家の参考資料用に至るまでレベル差がある。もちろん、殆どの本は、 読んでも無駄にしかならないものである。

本書は、一歩だけ突っ込んだ、あるいは突っ込もうとした入門書といったと ころだろうか。レベル1が入門、レベル5がプロとすれば、レベル2程度の本 といったところだろうか。

本書の原書の題名は、"TCP/IP For Dummies" である。重要なのは、dummyの 意味である。本書でのdummyの意味は、コンピュータ用語としてのdummyの意味 ではなく、英語本来の意味でのdummyである。 「バカ者、とんま」とかいう意味である。つまり、 本書の題名の正しい訳は、『バカのためのTCP/IP』ということになる。 日本流にいえば、『猿にもわかるTCP/IP』であろうか。要するに、読者 を馬鹿と仮定した上で書いている。

原書の方をまだ読んでいない(立ち読みしようとして忘れた)が、このシリー ズは、そもそも文章が、めちゃめちゃな悪ノリの文なのである。日本語訳の方 も、かなりそのような悪ノリの部分の感覚も再現させている。

最初に、「TCP/IP」を何と発音するかについて書いている。TCP/IPの 本では、やたらに英字3文字程度の略語が出て来るので、その他の略語につい ても、日本国内での一般的な読み方を書いて欲しかったですね。

読んでて気になったことを列挙しておこう。

「コンピュータはペンネームで本を書いたり、結婚したりしないが、‥‥」 (P155、下から4行目)
こういう記述があったのであるが、コンピュータは十分にペンネームで 本を書いたりしているようなんだがなあ。あ、いけねえ、これは秘密事項だっ たような気がする。みなさん、読んでも忘れましょう。

「コアが一方に傾くと‥‥」(P163,こむずかしい話)
ここでいう「コア」とは、磁気コアのことである。磁気コアはスイッチ だが、「傾く」って用語は、どうも、あのビーズのような磁気コアに縦、横、 斜に糸が通っていて、がんじがらめなのに、その磁気コアがグィッと回転する ようで、面白い表現だった。まあ、比喩なんでしょう。0と1の状態のことを 表現してんでしょう。

「孤立無縁」(P210,ブリッジのゲップの6行目)
「孤立無援」の間違い。よくあること。

「ブルーター」(P213〜215)
ブルーターについての説明では、「ブルーターはブリッジとルーターの 中間に位置する。」とあるのでありまするが、表17-2では、ブルーターは、ルー ターとゲートウェイの中間に位置しているのでありまして、私の頭は混乱しま した。

というような挙げ足とりはもう止めにして、全体的な感想としては、後半 (Part3,4)の内容が、前半(Part1,2)に比較して、滅茶苦茶に薄いのです。入門 書だからということもあるだろうが、ちょっと薄すぎる。

Part4は、TCP/IP関連の情報源についてであるが、この部分は、できるだけ 日本の現状に合わせて、加筆修正が欲しかったところである。

編集部の方でも、既に誤りなどは分かっているらしい噂を聞いたので、その うちホームページで正誤表が見えるようになるかなあ。


荒井美千子さんのサインだぞー

今回の本も、監修者である荒井美千子さんのサインをいただくことができま した。前回のサインは、濃紺の単純 なものだったので、せっかくだから今度はカラーに してくださいました。その場にあった、4色のサインペンを使って、可愛く仕 上げていただきました。

ぬいぐるみのようなのは、当然「あらいぐま」です。あらいぐまである「あ らさん」が、自分の本のタイトルを見て、「あら!!」と叫んでいるところでしょ う、きっとこの絵の意味するところは。


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