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書名 | 電脳文化と漢字のゆくえ |
|---|---|---|
| 編者 | 平凡社 | |
| 発行日 | 1998年1月28日初版 | |
| 発行元 | 平凡社 | |
| 頁数 | 四六判、308頁 | |
| 定価 | 1900円(本体) | |
| ISBN | 4-582-40322-0 |
上の「平凡社」という字をじっくりと眺めてみよう。 どこか違わないだろうか。 平凡社の「平」の字の点々の部分は「ハ」になっている。普通は「ソ」の形 になっているはずだ。この本を読むには、そのくらいの教養はあった方が良い。
「ハ」が実在する出版社で、「ソ」になった場合は、さてどこの出版社なの だろうか。残念ながら、こういう話を書こうとしても、現在の漢字コード体系 ではどうしようもない。
本書はまだ、半分くらいしか読んでいないので、詳しい感想はそのうち書く ことにする。本書は、漢字にかかわるさまざまな分野の人々が登場するので、 名前を見ただけでも壮観である。しかし、正しい漢字で書けない人もいる。
江藤淳、白川静、吉目木晴彦、池澤夏樹、 加藤弘一、 島田雅彦、金井弘夫、 長島弘明、丹羽基二、長谷川貞夫、田村毅、加藤重信、小林龍生、紀田順一郎
本書の関連ホームページURLに、
藤原義高 十万字検索「漢楽街」
http://www.pro.or.jp/~fuji/japanese/kanrakugai.html
と私の遠縁のおじさんの名前が載っていましたが、「藤原博文」が正しいで〜す。
昨日、東京のちょっと遠くへ出かけたので、その往復で読み終えた。
本書は、文字を使う側の専門家といえばいいのだろうか、たとえば 日本文藝家協会 などや、辞書の編纂などにも携わった人々が意見を述べていることには意味 がある。
文字情報のデジタル化をすすめるのに、いかに漢字コードが重大になるかに やっと関係者が気づいた、というのが分かるといえばいいのだろうか。
「もっと早く相談に来てくれれば、もっと何とかできたのに」との発言が目 立ったが、ワープロが発売された当時の状況、さらにその後しばらくの間は、 コンピュータによる日本語情報処理に関する冷たい目はひどいものであった。 「ワープロで文章が書けるか!」などと言ったコンピュータ出版会社の編集長 などざらであった時代である。ワープロを操っていたら、それは遊びとみなさ れ、パソコンでゲームをやっていたら仕事とみなされる時代であった。
文章の大部分がワープロなどで生産されるようになって、初めてその問題点 に多くの人が遅ればせながら気づき、問題にしだしたのである。それも、力と なりうるようになったのはこの2、3年といったところであろうか。
平凡社が著名人に執筆してもらい、それらの社会的認知度を利用して、やっ と一般の人々にも問題の存在を知らしめられる時代がやってきたようである。 今までも常にこのように失敗を繰り返してきたのだし、そういうものであろう。 国民性でもがらりと変わらない限り、今後も繰り返すだけのことである。過去 のそういうことにぐちを言っても始まらないので、いかに問題を解決していく かである。手を打つのが遅かったから、既に十分に混乱しているので、新しい 漢字コード体系を決めても、移行は相当な困難を伴うことも明らかである。
さて、本書は内容的には、コンピュータでの漢字処理についての啓蒙書といっ たところであり、構成は多数の著者のそれぞれの意見、体験などが並べられて いるといったものである。この本を読んだだけでは、コード問題の深刻さは分 からないであろう。コンピュータでの漢字処理については、既に多数の本や資 料(インターネット上を含む)が存在する。