読書感想文コンピュータ編Java
書名Javaスレッド完全制覇
著者村上列
発行日平成14年7月3日 初版
発行元 株式会社 技術評論社
サイズB5変型判
頁数208ページ
定価2180円+税
ISBN4-7741-1491-X

最近またJavaの本を色々読むようになった。 今では、Javaは非常に広い範囲をカバーしているので、それぞれの対象分野と いうか、技術毎に一冊の本が必要なような広大というか、巨大なプログラミン グ言語(?)になってしまった。

今回読んでみたのは、「スレッド」に関する本である。スレッドに関して、 それだけで一冊になっている本は非常に少ない。本の一部にスレッドの解説が あることは多いが、やはり一冊の本が欲しいところであろう。

本書は、スレッドに限って書かれた本だが、200ページしかなく、とても薄い。 内容的には、Javaが一通り分かっただけの初心者を終えようとしているレベル の人が対象のようで、書き方は丁寧というか、技評のこのシリーズは馬鹿丁寧 なくらいに丁寧な説明になっている。なので、Javaがちょっとわかる人なら、 順番に読んでいけば、書かれていることは分かるであろうし、動作検証も簡単 にできよう。

技術評論社のサイトに、本書の 補足情報があり、javaのプログラムが全部ダウンロードできるようになっ ている。

スレッドの使い方だが、入出力などでブロックされる部分を別のスレッドにし てしまうことがあり、本書ではそういう使い方をずっと説明している。要する に、通信とかで待たされるときに、並列処理したい場合だが、それに関しては 充分な説明がある。

しかし、スレッドのもう1つの重要な使い方の説明がなかった。それは、非常 に重い処理を裏でガンガンやらすのだが、GUIなどはスムースに動くように、 裏の処理を別スレッドにする場合の例はなかった。

たとえば、素数の計算を、できるだけ下手な方法で実行し、結果はどんどん 表示させながら、一時停止ボタン、再開ボタン、終了ボタンなどがあるような 例も欲しかった。

最後に、チャットシステムを作ってみようということで、簡単ではあるが一応 チャットができるプログラムの丁寧な解説がある。このプログラムでは、単な るスレッドの説明にとどまらず、設計の考え方も示されている。

書名に「完全制覇」とついているが、入門書的制覇、つまりThread恐怖からの 完全制覇のことかと思う。

200ページしかないスレッドの入門書に、もう少し幅広い例を盛り込めという のは無理かもしれないが、このシリーズの他の書は結構分厚いのに、本書だけ なぜかやけに薄い。ちょっと不満である。

2003年9月18日


読書感想文コンピュータ編Java