読書感想文コンピュータ編Java
書名ひとりでできるJava実践入門
著者柏原 正三
発行日平成15年4月12日 初版
発行元株式会社 技術評論社
サイズB5変型判
頁数568ページ、CD1枚付
定価2980円+税
ISBN4-7741-1696-3

またまたJavaから遠ざかってしまって、本当に初心者になってしまったように思えてきたので、 この本で実践再入門を試みた。

本書は、結構分厚い。35mmもあり、ちょっと読むのを、持ち歩くのをためらわれる。 しかし、そんなにびっくりすることはない。 厚いけれども、書き方が丁寧というか、同じことが2回ずつ出てくる感じになっ ているので、かなり速く読める。要するに、濃い本ではなく、薄味である。

本書は、入門といっても、プログラムがはじめての人という感じではなく、 他のプログラミング言語をやっていた人とか、ちょっとJavaをやって、本書が2 冊目くらいの人が丁度お手頃かも知れない。

さて、「イメージして覚えるプログラミング手法」なんて帯がついているのだが、 本の中には、あまりイメージ、つまり図が少ないのである。

説明は、だいたい、次の手順で行われる。何か新しいクラスを使おうというこ とで、クラスの説明が表になって出てくる。それに続いて、そのクラスを利用 したプログラムの説明が結構丁寧に出てくる。ここでの説明には、ほぼ完全な プログラムも入っていて、文章での説明もかなり丁寧である。そして、 一通り説明が終わったら、プログラムがまるごと掲載されている。そして、 その後に実行結果が示される。

よくある形式なのだが、説明がかなり丁寧である。 この丁寧さというか、冗長さは人によって好き嫌いが激しいところである。 しかし、さっぱり図がない。 概念図的なのがまれに入ることはあるのだが、異常に少ない。 文章で延々と説明しなくても、図示すればすぐ分かってもらえるのにと思うこ とが多かった。

本書は、入門であるが、「アルゴリズム」という言葉が頻繁に飛び出してくる。 本書を通じて、「Java+アルゴリズム」を身につけさせようという意図が感じ られる。様々なソーティングを実際にJavaで作ってみることにより、 Javaも、アルゴリズムも習得しようという欲張りな本である。

入門書ということもあり、ちょっと回りくどいコーディングが見受けられた。 まあ、その程度と思っていたのだが、リンクリストの解説のところで驚いてし まった。単方向リンクリストで、要素を逆順に並べるプログラムとかが出てい たのだが、結構難しいことをやっていた。

通常は、作業用のリンクリストを作って、先頭の要素を取り出し、作業用の リンクリストの先頭に突っ込むのを繰り返すと逆順になり、最後に作業用を 本物にすればいいのだが、作業用リンクリストを使わずにやる方法が書かれて いた。

2分木検索もあるのだが、中途半端なところで終わっている。 要素をどんどん突っ込んだり取り除いたりすると、2分木のバランスが非常に 悪くなるのだが、そのことには一言触れただけでお仕舞いであり、 前の方でずいぶん丁寧に説明してある utilパッケージの TreeSetクラスとの関係が 書かれていなくてガックリした。TreeSetクラスが、実はこういう風に作られ ているんだよ、というような無茶な要求はしないけれど、一言もないのは困っ たものだ。

本書は、アルゴリズムという部分を除外して考えれば、結構丁寧に書かれた実 践的な入門書である。Javaを知るというのに限れば悪くないと思うが、 ソースプログラムはところどころ冗長な部分があるので、注意されたい。

2003年7月3日


読書感想文コンピュータ編Java