読書感想文コンピュータ編Java
書名入れたてJava
著者溝口文雄、大和田勇人
発行日平成8年4月20日
発行元共立出版株式会社
サイズA5判、166頁
定価1850円
ISBN4-320-02809-0

本書の帯には、「本格的入門書」と書かれていた。なかなか含蓄のある言葉 で、うなってしまった。

この本の著者の一人は、東京理科大学の溝口先生で、まあ知らない人はいな いだろう。それに、東京理科大といえば、 SunSiteである。この サイトはJavaの人なら知らねばならないサイトである。

本書のホームページ も用意されていく。そこには、正誤表もちゃんとある。 さらに、3Dロボットシミュレーションなんかあって、つい昔を思い出して しまいしそうな動きだ。

そういうサイトの溝口・大和田先生の本であり、出版社が共立出版というこ とだけで購入しなければならない本だ、とつい考えてしまう。

Windows95への手厳しい批判で「序」がはじまり、第1章で、じっくりと Java開発の背景が書かれている。特に思想的なもの、開発した人物達の紹介が 熱っぽく書かれている。この辺は、他書にはない特徴である。

その後は、Javaプログラムに関することが書かれているのだが、ちょっと違 う書き方がされている。丁寧な文章を使い、かなり図も具体的なのである。題 材は複利計算、ローンの支払を中心に進めている。編集方針なども含めて、 『プログラミング言語C』 を思い出さずにはいられないような感じである。

言葉、説明は丁寧に見えるのであるが、ときどきコンピュータ上の色々な概 念が、ちょろっと何気なく説明しているだけで、どんどん話が先に進むところ も多いので、入門書としては、実は非常にキツイ本である。

  1. Javaの背景
  2. Javaプログラミングのステップ
  3. Javaによるプログラミング入門
  4. Javaにおけるオブジェクト指向プログラミング
  5. Javaアプレットプログラミング
  6. Javaの応用プログラミング
  7. Javaによる実際の応用
  8. Javaの応用の可能性と今後の展開
こういう構成であり、スレッドはあるは、ネットワーク経由でデータベース と繋ぐは、医療画像処理の遠隔診断システムの説明をし、そのためにC言語と のリンクをするは、さらに今後の可能性について説くは、といった感じで、実 際すごい盛りだくさんであり、Javaをこれからちょっとやってみようというプ ログラミングの素人がこの本を選んだりすると、頭を抱える羽目に陥る可能性 は大である。

しかし、すでにいくつかのプログラミング言語に馴れている人なら、この程 度の本はどうということはないだろう。また、そういう内容なので、大学など でのプログラミングの本としても適している。自習用参考書としては問題かも しれないが、授業に出て来ないと分からなくなるような内容なので、教科書と して優れている。

最後の章にあったスタンフォード大学のバックギャモンのページが

http://www-leland.stanford.edu/~lesssmith/JavaGammon.html

となっていたが、正しくは

http://www-leland.stanford.edu/~leesmith/JavaGammon.html

である。しかし、バックギャモンサーバが忙しすぎて繋ががらないようだっ た。というより、すでにこのアカウントは消されているようである。

本書は、Javaを今後ずっと、それもかなりのレベルでやって行こうと思って いる人にとっては必読書の1冊と言えるだろう。だが、一般人がこの本でJava に挫折しているのに出会ったら、もっとやさしい本から再入門するように指導 してあげよう。

それにしても、本書と並べて売られている共立出版の『はやわかりJava』は、 ついうっかり、本書の姉妹編と間違えて買ってしまうところであった。本書の 姉妹編は『味わいJava』である。間違えないように注意しよう。


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