読書感想文コンピュータ編Java
書名 Java API プログラミングガイド
著者青柳龍也
発行日1996年10月20日
発行元クオリティ株式会社
発売元工学図書株式会社
サイズB5変型判、452頁
定価3800円
ISBN4-7692-0372-1

Java言語は、C++などに慣れた人なら、たいした努力も不要でマスターでき る。しかし、それは言語だけの話で、Javaの場合、標準で利用できる機能がま とまった Java API(Java Application Programming Interface)というライブ ラリがあり、これをマスターしないことには、結局どうにもならないのである。

プログラムを実際に組み始めると、誰しも、すぐにAPIの説明不足に悩み、 思ったように動かなくて困る筈である。Javaはプラットフォーム独立とか言わ れている。確かに相当独立しているが、でも、実際にプログラムを作ってみれ ば分かるが、ウィンドウシステム、ブラウザ、バージョンの相違などにより、 細かく動きが異なる。一部はバグであり、一部は仕様の範囲外であり、なかな か悩ましてくれる言語である。(まだまだ産声を立てている言語だから、あま りそういうことばかり言ってもいけないんだが。)

さて、本書は、そういう非常にやっかいなJava APIについての、相当詳しい 解説書である。日本語に限って言えば、オライリーの 『JAVAクイックリファレンス』 が、解説付クイックリファレンスであったが、解説としても、リファレンス としても、どちらも中途半端なものであった。

本書は、Java APIのパッケージ毎に、かなりつっこんだ解説がしている。 各クラス毎の無味乾燥な説明ではなく、ある機能を実現するにはどうすれば いいか、というな書き方である。このあたりは、なんといっても、 Java Houseメーリングリスト (注:11/8現在、事故のためホームページは停止中) での活躍が活きていると思われる。

また、入門書としては名著といえる 『一歩先行くインターネットJava入門』 の著者の佐藤、白神の両氏も原稿に目を通されたとのことである。ますます 信頼性が置ける。

細かいことを書ける程まだ読んでいない。それに、本書は、通読するような 本ではなく、何かを実現したいが良く分からないとか、トラブルが発生したと きに読むべき本である。

awtのレイアウト、特にGridBagLayoutは設定が面倒で、あまり使われていな いと思う(少なくとも、私はまだ使っていない)。大抵の本では、無視するか、 適当なサンプル例を1つ挙げてお茶を濁している。が、本書は、非常に詳しく 調べた結果が示されている。もう、ドツボに入ったのではないかと思われるく らい書かれている。

どの分野についても、既刊書よりは遥かに詳しい。それでも、実際にプログ ラムを組もうと思うと、さらに詳しい説明が欲しくなってしまう。私の欲求を 満たすには、本書の2倍くらい説明して欲しかったが、それでは1000ページも の分厚い本になってしまい、取り扱いに困るが、でも欲しい。

java.awtパッケージがウィンドウの取り扱い(まあ、Motifに相当か)であ り、これだけで1冊は十分に書けよう。その他の部分が、まあシステム系のこ とであり、これはこれでネットワークなど面倒なものも多くあり、また1冊は 十分に書けよう。

と言う訳で、本章は、Javaプログラミングを既に始めた人のための本である。 だから、初心者用の解説はない。他の入門書で十分と思われる部分は説明もな い。

まあ、最初に本を手にした時、一番最初の話題が「スレッド」だったのには びっくりした。いきなりこんなところから解説を始めるか、とは思ったが、ま あ、そんなものをいきなり読んでも分かるような人の為の本である。

今年は非常にたくさんのJAVA本が出た。これでもか、これでもかと入門書、 概説書などが目白押しであるが、まあ大部分はゴミのような本であった。ちり 紙交換にでも出そうかと思っているが、まあ一応置いている。しかし、本書は、 それら多数の本の中で、もっともプログラミングに役立つ本であろう。まあ、 無条件に買っても損はしないことは私が保証しよう。

それにしても、青柳氏、この本の執筆に打ち込んでいたんだ。3才の娘さん がDukeのことを「りんごちゃん」と呼んでいるだって。かわいいねぇ。


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