読書感想文コンピュータ編Java
書名 Javaで作る
インターネットアプリケーション
著者John Rodley
訳者岩谷宏
発行日1996年11月1日
発行元ソフトバンク株式会社
サイズB5変型判、471頁
定価3900円
ISBN4-7973-0110-4

1996年11月20日
1996年11月26日


1996年11月20日

本書は、まだ入手したばかりで、137ページまでしか眺めていない。

序文には、「本書のテーマはエージェント」とあった。したがって、当然の ことながら、ネットワーク通信の話がもっとも中心になる。

だいたい、前半の第5章までは、Java全般の話である。著者は、第5章の AWTが本書で一番重要と言っているが、それほどではない。それに、AWTについ ての詳しい解説書は既にある。

やはり、第7章のネットワーク通信が一番重要ではないかと思う。ページ数 も、第7章が一番多い。Javaでのネットワーク通信などの話題をきっちり扱っ た本は極めて少ないので、本書の良さはこの辺にあるのではないだろうか。

本書は入門者用ではなく、javaでもっと高度なことをやろうとしている人の 為の本である。あるいは、今までに出ている本なんて、読んでも詰まらん、と 思っている人の為の本である。

だから、この本でJavaの入門をしようというのは無理、無茶である。そうい う人は、本書は無視しなさい。Java初心者およびコンピュータの初心者はこん な本を読んではならない。まあ、本棚に飾って、そのうち理解できるようにな りたいと思い、眺め暮らすような本である。

Javaの重要なところは、マルチスレッドであり、通信であり、そのあたりが そこいらの入門書には全然書かれていないので、それらについてじっくりと読 んでみたい人にはいいのではないかと思う。

というわけで、本書の読者対象の人には、第1章〜第5章(ちょうど半分) は不要ではないかと思う。(まあ、第3章には、エージェントの説明があるの で、ここは必要か。)前半を、ばっさり切り捨て、後半にもっともっと力点を 置いた方がいいのでは。

‥‥‥と書いて来たが、まだ第5章の途中までしか読んでいない。そのうち、 また書き足そう。


1996年11月26日

もうすこし読み進んだ。今は、259ページで第7章ネットワーク通信のとこ ろに入ったばかりである。これからが、エージェントシステムの山場になる。 今までは、まあ、前座みたいなもの。

20日まで読んだ範囲では、プログラムらしいプログラムもほとんど出て来 なかったが、それ以降は、AWTとか、スレッドを使った例など、3〜4ページに 渡る程度のプログラムがバンバン出て来て、やっとプログラムの解説書らしく なってきた。が、いろいろ不満も出て来たので書いておこう。

まず、リストが見にくい。字下げが変になっている個所も多い。一応規則は あるんだが、その規則さえよく乱れている。本にするんだから、このあたりは もっとちゃんとして欲しいものである。

図を利用した説明が皆無に近い。プログラムと対応する画面もほとんどない。 つまり、リストを黙々と読み進み、その後に付けられている文章のみの解説を 読むことを強いられる。これは、教育的配慮が欠けているのでは。それとも、 強育的配慮か。でも、簡単な、入門書にさえ書かれているようなことは、本書 でも図が用いられている。そもそも本書のレベルなら解説自体も不要と思われ る個所が図も用いて丁寧に説明されている。アンバランスである。

必要以上に低レベルのメソッドを使いたがっている傾向が見受けられる。必 要もないのに低レベルのメソッドを使うのは戒めるべきである。そのあたりは、 訳者の岩谷氏が、訳注でチェックを入れていたりする。

プログラムはあまりスマートではない。文字列処理に関しては、はっきりい って変である。チェッカーアプレット(流れる電光掲示板)のプログラムは、 もろ力技である。

という訳で、本書は、知識や情報を得るには良いが、プログラミングスタイ ルの勉強には向かない。

今月中には読み終えたいと思っているが、無理かなぁ。


1996年12月3日

今日、やっと読み終えた。最後の方は、かなり読み飛ばしたのであるが、基 本的な感想は今までと何ら変らない。

後半になるほどリストの山となっていくのは当然として、リスト中のクラス の開始や終了の場所が分からないので嫌だと思っていた。

しかし、そんな程度では許してくれなかった。複数のファイルを一気に並べ ている個所があったのであるが、その区切りもなかった。複数のファイルをつ ないで、まるで1つの長いリストのように示されていた。こういうところは何 とかして欲しいものである。

あまりに読みづらいので、定規で区切りの線を入れながら読み進んだ。なん か、編集作業をやっているような気になってしまった。

最後なので、もういちどまとめておこう。

まず、本書は、中上級者向けであり、エージェントシステム構築のための本 である。この辺りで、対象外の人は読まない方が身の為である。JAVA全般 についての知識を得ることはできない。それは本書の目的ではない。

リストは分かりづらい。クラスの区切りが視覚的にはほとんど分からない。 また、字下げなどの書式も場所によりかなりな乱れがある。

図による説明は皆無に近い。小さな例による説明も少ない。また、後から肝 心な所を探すのも不便である。

しかし、レベルの高い情報は提供されている。これがなかったら、ボツ本で ある。

現在、日本語で出版されているJAVAの本で、中級以上の本は、この本を 含めても4冊くらいしかないと思う。入門書、初級レベルの本は、既に本屋の 店頭どころか、倉庫で充分に腐るほどの量が出ている。しかし、中級以上の本 は、出ているだけでも満足しなければいけないのが、現在の日本のJAVA本 の状況である。


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