読書感想文コンピュータ編Java
書名Javaオブジェクト設計
著者ピーター・コード+マーク・メイフィールド
監訳今野睦
訳者依田智夫+依田光江
発行日1997年11月10日
発行所株式会社プレンティスホール出版
サイズB5変型、223頁
付録CD1枚
定価3000円(本体)
ISBN4-89471-014-5

本書は、Javaでプログラムを組むときの設計に関する本、つまり設計論 の本なのである。従って、Javaについての経験を積んだ人だけが読者対象とい える。少なくとも中級者以上で、継承はもちろんのこと、interface, Thread, イベントなどを使ったプログラムの経験もあることが必須である。そのあたり の知識等のない人が読んだら、間違いなくチンプンカンプンであろう。

本書には、はっきりした主張がある。その最大のものは、ほとんどのJava本 でオブジェクト指向言語のJavaでは、継承を使ってプログラムを書くように勧 めていることへの警鐘である。何でもかんでも、むりやりねじ曲げてでも、不 自然になろうとも継承をつかうという流れに逆らった本である。

インターフェイスの利用を随分勧めている本である。それにより、拡張性や 柔軟性を非常に高くすることができる場合が多いとの説である。

その他、幾つかの主張がある。おおむね納得できる内容であるし、私自身、 何でも継承を使うというのは嫌いで、普段は殆んど使わないことにしている。 自然に使える場合だけに限定しているので、納得できる部分が多い。

そのように、本書の方針には賛成なんだが、その説明の仕方には考え込んで しまうようなところが多い。

とにかく解説が分りにくい。何の前触れもなく、突然用語を使い始めて話が どんどん進んでしまい、訳が分らなくなりやすい。図や例が多数でてくるのだ が、本書での図の書き方についての解説が殆んどないまま、実例ばかりがどん どん出てきてしまう。

というわけで、本書を読んで、どれだけの人が著者の意図を読み取ることが できるかは疑問である。同じ内容を書くにも、もっと取っつきやすく、なおか つちゃんと理解させるような書き方ができないものであろうか。設計論の本は 確かに難しい。しかし、設計論の本質を、ちゃんとした設計がまだ出来ない人々 にちゃんと教えないと意味がない。この本の書き方だと、既に分っている人に 分るような書き方であり、ちょっといただけない。

Java互助会 読書会にて本書が取り上げられるようであり、分りやすく噛み砕いた解 説がインターネット上で行われればと期待している。

1998年12月5日


読書感想文コンピュータ編Java