読書感想文コンピュータ編ポストスクリプト

Post Script グラフィックス

著者安居院猛/永江孝規
発行元株式会社新紀元社
発行日1993年10月29日初版
定価3500円
サイズB5版
頁数351頁
ISBN4-88317-032-2
別売にてディスケットサービスあり

この本は、ポストスクリプトの入門書である。著者は、この本の執筆当時は、 東京工業大学工学部像情報工学研究施設というところにいた。ようするに、コ ンピュータグラフィックスの研究施設である。

さて、本書についての第一印象であるが、とにかく汚いのである。漢字なん か、ドットがもろに見えていて、字がギザギザしているのである。もう、これ だけで、なんちゅう手抜きの本作りをしているのかと思ってしまう。

それで、『まえがき』を読むとその「なぞ」が解けるのである。それによる と、本書はTEXで編集し、PostScriptファイルに変換して、レーザ・プリンタ に出力したもので直接製版した、とある。プリンタ出力したものからフィルム を作ったのであろうと想像できる。

さらに読み進んで行くと、本書の執筆には、Sun Microsystems社の SPARCprinterを使ったことが分かる。つまり、この本は、SPARCprinterで出力 したものをそのまま版下にしたのであろう。

この本は1993年秋の出版である。だから、出力などは1993年の夏だ と思われる。確かに、ポストスクリプトの本がポストスクリプトプリンタを用 いて作られるのは正統であり、何の文句もない。しかし、漢字などの読みにく さを考えたら、最終出力だけは良いプリンタ、解像度の高いプリンタを用いて 欲しかった。少なくとも、1993年の後半には、もっとよいレベルの出力を 得ることは充分可能だった筈である。出力センターに持ち込めば、もっと綺麗 な出来になっていたであろう。漢字のキレの悪さにはうんざりである。

この本で一番驚いたのは、この本が SPARCprinter で印刷できたことである。 私もときどき SPARCprinter を使用しようとするが、いつも、実用のポストス クリプトファイルを送りつけるとエラーになってしまう。確かに、この本にあ る例などを送ってみると、ちゃんと動くのであるが、自分でポストスクリプト を用意すると絶対に動かない。だから、これだけの本の出力を、 SPARCprinter でやってのけたというのは、私には驚異としか思えない。

内容については、私は充分気に入っている。他書に比べて、大変実際的なの である。手続き /xxx { .... } def の作り方については、どの本をみてもあ りきたりの説明ばかりであるが、本書は、実務的であり、プログラム作りに大 変参考になった。

ポストスクリプトはスタック言語であるが、スタックだけで全てを処理しよ うとすると、私のような頭では、すぐにスタックが壊れだし収拾がつかなくなっ てしまうのだが、辞書を用いて、より明解なプログラムの作り方が書かれてい るのは感激だった(ちょっと大袈裟か)。


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