読書感想文コンピュータ編開発技法
書名やさしいXML
著者 高橋麻奈
発行日2005年3月30日 第2版第1刷
発行元ソフトバンクパブリッシング株式会社
サイズA5判変型、470頁
定価2600円+税
ISBN4-7973-3062-7

XMLのとてもやさしい入門書である。

やさしくだけして、たとえどんな初心者が読んでも何の役にも立たないような本も 少くないが、実際にどういう風にやればXMLを変換できるのかが わかるように実例(サンプルファイル)がたくさん示されている。 サンプルも、すこしずつ機能を追加していく感じであり、さらに追加変更だけを示すのではなく、 ファイルまるごと採録という形をとっているので、ページ数はずいぶん食ってしまうが、 差分でないので、見ただけで分かる。

また、図がかなり多い。説明のためというよりも、 「かわいさ」を出すために入れられているとしか思えないイラストも かなりあるが、それもかわいくて良いかな。

いちばん多いのは、必要充分プラスα以上に繰り返しがある。 読み慣れてくると、適当に飛ばして読むと思うが、まあこれも有りだろう。

そういうやさしいというか、やたらに丁寧な書き方をしているにもかかわらず、 XMLに関する主要なことにはできるだけふれていこうという欲張りな点もある。 DTD, XML Schema, XSL, CSS, DOM, SAX について 実例をしっかり出しながら 説明を試みるのはすばらしい。 もちろん、これだけ幅広く説明しているので、いずれも簡単な例だけであるが。

さらに、Javaを全然知らない人にでも、本書の内容くらいは理解できるように 1章をJavaの入門にあてているが、10章ある中の1章であり、さすがに相当に 不充分な内容であり、もしJavaによるXMLの取り扱いを知りたければ、 最初から他書でJavaを勉強してから読んだ方が賢明だろう。 同じ著者が「やさしいJava」という本も出しているようで、 そちらを読むように再三掛れていた。(売り込みが上手だなぁ) 結局、Javaの入門の章は不要ではないかと思う。

この手の本だと、アルファベット数文字の略号がやたらと出てくるのだが、 元の言葉が書かれていないことが多い。 本書では、たとえば、 「XSL(eXtensible Stylesheet Language)」という感じに括弧の中にフルスペルが 表記されていることが多く、親切である。 他の入門書も、この点は是非見習って欲しいものである。

本書は内容がやさしいだけでなく、使われている日本語がとてもやさしいのである。 どういうことかというと、できるだけ漢字を使わず、平仮名にしてしまっている。 「おぼえる、あらわす、たしかめる」などが全部「ひらがな」なので、ひらがなが 続き過ぎて読みづらいところが多々あった。

例:44ページ
ここでは、XMLが柔軟にデータをあらわせるようになっていることをおぼえておいてください。
私の脳味噌のひらかなバッファはせいぜい15文字くらいしかなく、 それ以上になると、戸惑ってしまう傾向が急に高くなってしまう。

本書はかなり売れているらしい。 もちろん、XMLはJavaと比較すればニッチな分野なので、 同じ著者のJAVAの本ほどには出ていないようだが。

いずれにしろ、本書はかわいさを感じながら読み飛ばして、 次の本に進むのが適当であろう。 本書は、XML入門、あるいXML入門の入門としての本である。


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