![]() |
書名 | 韓国IT革命の勝利 世界はなぜ追いつけないか |
---|---|---|
シリーズ | 宝島社新書 | |
著者 | 河 信基(は・しんぎ) | |
発行日 | 2000年12月15日第1刷発行 | |
発行元 | 株式会社 宝島社 | |
サイズ | 新書判、206頁 | |
定価 | 700円(税別) | |
ISBN | 4-7966-2026-5 |
だいぶ前から、韓国のインターネット事情はきになっていた。日本はIT産業で アジアのトップグループの中にはまだ何とか残っているかも知れないが、日本企業も インターネットの高速通信実験などは日本ではなく、アジアの別のところでやるように なって久しい。
最近は、PCバンといってもN社のパソコンネットのことではなく、韓国から上陸して きた、PC房といって、高速回線が来ていて、ネットゲームやら、ちゃっとやら、 そしてもちろん動画をみて楽しむようなのが日本にもできたが、韓国の約5倍もの 料金で韓国のような利用はできない、とかいう話はテレビでも流れていたし、 新聞にも時々載っていた。
まあ、さまざまの情報から推察するに、規制でがんじがらめの日本よりは、 インターネットに関する限り、かなり先にいってしまったことは事実であろうし、 まとまったものを読まねばとは昨年の中ごろからは強く感じていた。 そして、先日本屋のなかを散歩していたら、この本が並んでいたので、 早速入手し、読んでみた。
著者は、日本生まれの在日朝鮮人で、朝鮮新報の記者、朝鮮大学校の教官、そして 評論家になったようである。法律、朝鮮問題の専門家のようで、技術的な細かい内容 については、記述にちょっとと思わせる場所は多々あったが、韓国の現状を、日本の お粗末なインターネットへの対応と比較しながら書いているのは良かった。
韓国を絶賛しているというより、日本のインターネットは「とほほ状態」というのを 説明している感じである。韓国の今のIT産業の隆盛は、もちろん金大中大統領による ところが大きいが、某国森首相と比較することは、能力からして大差がありすぎて、 実際比較にも何にもならない。
本書では、結構控え目に、日本は韓国に比較して2年程度の遅れているという ことになっている。もちろん、韓国は、つい先日までは日本以上に財閥と官僚の国家で あった訳だが、それを金大中大統領がいかにして切り崩していったかが本書の 主題のようだ。そして、それは、南北統一の話になり、本書は終っている。
現在、日本では、アメリカあるいはヨーロッパのインターネット事情についての 話は多いが、アジアの情報は意外と流されていない。コンピュータ部品のほとんどは、 日本国内ではなく、アジア諸国で作られ、さらに組み立てられ、最後の消費というか、 パソコンを買っても使いこなせなくて押入の肥しにしているのが日本であるが、 世界は日本よりももっと速いスピードで進んでいるところもある。
もっと、アジアに関するインターネット事情などの情報は欲しいが、なかなか良い ウェッブサイトが分からない。探さねば。
2001年1月7日