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シリーズ | 別冊 本とコンピュータ 3 |
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書名 | コリアン・ドリーム!
韓国電子メディア探訪 | |
編者 | 水越伸、河上進 | |
発行日 | 2000年7月10日 | |
発行元 | 大日本印刷株式会社 ICC本部 | |
発売元 | 株式会社トランスアート | |
頁数 | A5判変型、216頁 | |
定価 | 1300円(本体) | |
ISBN | 4-924956-66-X |
このところ、ちょっと韓国のインターネットや出版事情に興味があって調べている。 それで、読んでみた本である。
最近の韓国は、なんとか情報立国になろうとして、国をあげていろいろ取り組んでいる。 掛け声だけで、やっていることが思いっきり外れている某国とはかなり事情が違うようである。
季刊『本とコンピュータ』の別冊なので、コリアンドリームといっても、 当然本を中心としながら、コンピュータとも深く関わった話ということだろうと思って読み始めた。
書店、書籍の流通、ハングルのフォントの話、新聞、学術データからまんが喫茶まで広範囲な 内容である。その中に、「高麗大蔵経」という経典の経板の話がある。8万枚もの板に延々と 経典が彫られており、いまでも海印寺という寺で厳重に保管されている話がある。
また、韓国は、金属活字による印刷ではドイツより早く、1377年には使われていたとの ことである。しかし、方式はちょっと違い、プレスを使わずバレンのようなものを使う手作業 の印刷であったとのこと。
まだ韓国へ行ったことはないが、本や雑誌に対する感覚はかなり違いがあるようだ。 日本では、出版は非常にビジネス化され過ぎて、カラフルで、読むというより眺めるような タイプのものが主流になってしまったような気がする。 私としては、本が中身で評価されない状態になってしまっているようで残念である。
その点、まだ韓国では、本が中身で評価されたり、本自体に対して民衆が価値を失って いないような気がする。
現在の韓国の電子化の飛躍的な推進には、日本のような印刷や書籍流通の発達がなかった のが幸いして、一気にネットに進んでいたと書かれていた。日韓のホームページ比較では、 日本は非常に個人的なことが多いが、韓国では情報として価値あることを載せようとするらしい。
まあ、似ていたり、おおいに違っていたりする隣の国の話であった。 いずれにしろ、行って自分の目で確認しないことにはよくわからない。 しかし、ハングルは全然知らないのである。困ったな。
2001年4月9日