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文庫 | 朝日文芸文庫 た24−1 |
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初出 | 連載・ASAHIパソコン 1989年11月1日号〜91年12月15日号 単行本・1992年2月朝日新聞社刊 | |
発行日 | 1995年5月15日 | |
発行元 | 朝日新聞社 | |
頁数 | 216ページ | |
定価 | 530円 | |
ISBN | 4-02-264070-7 |
かの有名な現代歌人の俵万智さんの日記です。『ASAHIパソコン』という パソコン初心者用の雑誌に連載したものです。
本人は、自信をもって機械恐怖症といいつつも、この連載を読んでいると、 なかなかに楽しんでいるように思われます。でも、ワープロを使い、マックを 使い、そしてパソコン通信まで始めます。そして、次第に、パソ通の世界に はまっていきます。
本人は機械音痴といっても、父は理系の人間で、マックのチェスにのめり込 んでいくのです。そして、ニフティの囲碁フォーラムに入ってしまうのです。 さらに、弟は、完全なパソコンマニアです。
さらに、万智さんには、一般の人と違い、『ASAHIパソコン』の編集部 の人に「助けて〜」と言うことができ、編集部も原稿が欲しいのですぐに助け てくれます。パソコンだってどんどん借りることができます。この点は、極め て特殊な事情です。
マックのマウスを動かしても矢印(カーソル)が動かないといって編集の人 に来てもらいました。万智さんは、マウスを持ち上げて、空中で動かしたので すが、どうしても矢印が動かないので呼んだのです。呼ばれた方は、もう笑う しかありません。まさか、空中に持ち上げて動かすなんて、私だってそんな動 かし方が存在するなんて想像もしませんでした。初心者の発想力はすばらしい ものです。こういった話が載っています。うーん、これだから初心者はまいっ ちゃうね、というか、笑えますね。
では、本の内容について。コンピュータを用いて文章を書いても、さすがは 歌人、我ら凡人とは文章の質が全く違います。言葉の選択がどことなくユーモ ラスで、かつ洗練されています。脱帽するしかありません(当り前ですね)。
もちろん、あちらこちらに、パソコンを読み込んだ俵万智流の現代短歌が登 場します。