読書感想文コンピュータ編その他(トラブル本)
書名 マッチ箱の脳(AI)
使える人口知能のお話
著者森川幸人
発行日2000年12月31日
発行元株式会社新紀元社
頁数A5判、224頁
定価2200円(本体)
ISBN4-88317-080-2

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本書は、題名や表紙のキャラクタから想像されるように、とってもやさしく、 イラスト満載でAIを説明しようとした本である。 難しい数式も、文章がぎっしりといったことなど全然無く、代表的なAIを、 非常に小さなモデルであるが、手作業で確かめられる程度、これを マッチ箱を使っての手作業でのシミュレーションで行って見せるのである。 理屈をいくら言っても、AIはなかなか理解し難いが、本書の説明は、中学生にも おおよそは分かるのではないかと思われるところがある。

マッチ箱モデルで丁寧に説明が行われているのが、遺伝的アルゴリズムと ニューラルネットワークである。なにしろ、著者はAI的手法を採り入れたゲームを 作った人であり、この本も、AIはゲーム中でどんな風に使われているかが書かれているので、 抽象的で眠くなるような本とは訳が違う。

しかし、コンピュータ技術者などが、もっと手短に知りたいと思っても、 そういう人を対象として書いている訳ではなく、もっともっと素人の人を相手に 書いているので、逆に専門家の中には眠くなる人も入るかもしれない。

これだけイラストの多いAIの本もないのではないかと思う。 イラスト中には、いっぱりモンスターとプレイヤーがバトルをしていたり、 さまざまなのがある。そっちの方からこの本に興味をもって、ついでにAIって、 こういう風になっていたのか、とか思う人が出てもいいのではないかと思う。

とりあえず、立ち読みして損はない本である。

2001年4月23日


読書感想文コンピュータ編その他(トラブル本)