読書感想文コンピュータ編その他(トラブル本)

パソコンはまぐり

著 者:岬 兄悟
発売元:株式会社 光栄
発行日:1995年12月1日 初版第1刷
定 価:1500円
サイズ:四六版 223ページ
ISBN 4-87719-306-5

この本は、いい年をした「おじさん」が電車の中なんぞで読むには勇気がい る本である。そういった、派手派手なカバーがついているのである。だから、 私は、沢山ある『コの業界のオキテ』のカバーを代わりにして、通勤電車の中 で読み終えた。でも、周りから、イラストのあるページを開いているところを 覗かれやしないかとひやひやものであった。

この本の著者「岬兄悟」は、一応SF作家で、その妻も「大原まり子」とい う作家で、「大 原まり子のホームページ」をオープンしてます。夫婦のプロフィールなど はそちらに、ごちゃらごちゃらと紹介があるので、参照されたし。

さて、この『パソコンはまぐり』という本であるが、これは、著者が、あっ と言う間に、「パソコン通信」にはまってしまったことを書いたエッセイであ る。1年前には、パソコンのことを何も知らない著者が、ダウンロードのしま くりをやって、ソフト集めに狂った毎日を過ごしていることを書いたものであ る。

まあ、コンピュータにのめり込む場合、いろんなパターンがある。インター ネットとかパソコンネットから、どんどん変な画像データをバカスカとダウン ロードするだけの奴とか、可能な限りのソフトウェアをダウンロードし、イン ストールしては楽しむが、動かし方が分かったら、もうそのソフトには興味を なくしてしまう奴とか、とにかく色々なパターンの奴がいる。

この本の非常に正しい姿勢は、フリーウェアやシェアーウェアのオンライン ソフト(オンラインでダウンロードできるソフト、というのが本書での意味ら しい)の方が、パソコンショップなどで高い金額で売っているより、遥かにま ともな、良質のソフトが一杯あることを、本全体に書きまくっていることであ る。これは、非常に大切なことである。「高い金を払えば、良いソフト」なん てことは全然無いということが、この本で、世間の人々に知れ渡れば、この本 の価値は非常にある。

私は、コンピュータのプロでない人間が、コンピュータの世界で情報を発信 することには非常に興味を持っている。とくに、本来の作家とかが、どのよう にインターネットとかに関わっていくのかに興味があるのである。コンピュー タ技術者に情報発信を期待するのは本来無理があり、もともと情報発信するの が本業の人々がどう行動するかを調べてみたかったので、読んだんだよ。

で、じっさいに書いている内容であるが、Windowsにちょいと慣れてきたこ ろの人が、さらに、泥沼に落ちるために読むと良いだろう。内容は、表紙を見 れば想像がつくような内容である。


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