読書感想文コンピュータ編その他(トラブル本)

その話はメールでしてくれ!

社内LANの愉快な毎日

著 者:加納ラサ+熱帯プロダクション
発売元:株式会社 翔泳社
発行日:1995年 6月10日 初版第1刷
定 価:1200円
サイズ:B6版 207ページ
ISBN 4-88135-241-5

本書は、およそパープリンとしか思えない、軽ーいノリの女の子が、コンピュー タ世界のオタクが集まっている会社に、ただただ会社の存在場所がミーハーちゅ うかなんというかそういうところだったので就職し、訳が分からないうちにも、 その狂気の集団の中にいるうちに、どんどんオタクに染まっていく『快感』を 世間の軽いノリの人達に教えようとしたものであります。

会社の就業規則が、

「会社に来たら、ただちにUNIXにログインし、メールを読んでください。」

というのである。これって、どこか変なのであろうか?私としては、こんな こと10年前から当然のことと思っていたので、これだけについて延々と「びっ くりした」なんて書かれると、「?」と思ってしまうのだが、私は変か?

隣の机とかに座っている人に対して、直接話かけずに、メールなどコンピュー タネットワークを使って連絡をとるのも変だと書いているが、俗世間から来た 人間様はそう感じるのだろう。

まあ、私にとっては、俗世間からやってきた人間様に、この世界の感想を聞 いたり読んだりしないと、世間の我々を見る目が分からなくなるのだ。それで、 この本は、その辺のところが、実に巧みに、臨場感溢れる書きっぷりなのであ ります。内容も楽しいしね。

「あとがき」に、

「ねーねー加納ちゃん、知ってる?ビジネス雑誌って、こんなバカなこ と書いているんだよー」

といって、うちの社長が、いかにも世の中の社長向けに発行されていると思 われるビジネス雑誌の電子コミュニケーション特集号を見せてくれたからだ。

なんてのが書いてあんだよね。そうなんだよね。まあ、ビジネスマン向けの 全社員にパソコン一台与えて、全社的に電子メールでやらないといけません、 なんつーのは、ほとんどが無茶苦茶を書いているのが多いのであります。書い てる本人が、全然インターネット使っていないことが多いんだからね。

ネクタイ締めて、首締めて、あんな下らん、嘘八百の本を読むくらいなら、 この本を読んだ方が、少なくとも八百倍位は役に立つ。

といっても、そういう馬鹿な人々は、絶対にこのページにたどり着くだけの 能力はないんだよねー。


読書感想文コンピュータ編その他(トラブル本)