読書感想文コンピュータ編その他(トラブル本)
書名タッチタイピング3時間速習法
副題彩色イメージ法でらくらくマスター
著者高田哲成
発行日1995年2月25日
発行元株式会社日本実業出版社
頁数A5版、126頁
定価1300円
ISBN4-534-02281-6

なんとかタッチタイピングを練習しようと思って買った訳ではない。余りの 下らなさに発作を起こしてしまい、手にいれただけである。

「彩色イメージ」というのは、キーボードを、両手の8本の指の分担により、 8色に分けることをさす。そして、その8色のそれぞれの色のところにあるア ルファベットに対して、その文字で始まる英単語を結びつける。もちろん、そ の単語の指す物は、その色に関連するものである。

まあ、こういう説明では分からないであろうから、A〜Zまで、全部につい て、どう連想せよというのか、ここで紹介しよう。

左手
青ブロック白ブロック黒ブロック 黄bブロック黄aブロック
Q
Quiet
静かな
W
White
白い
E
Ebony
黒檀の木
R
Root
T
Tiger
A
Aqua
水色
S
Snow
D
Darkness
F
Flower
G
Giraffe
きりん
Z
Zoe
ゾイ
X
Xmas
クリスマス
C
Coffee
コーヒー
V
Vermouth
ヴェルモット
B
Butter
バター
※Zoe(ゾイ)は女性の名

右手
緑aブロック緑bブロック赤ブロック 灰ブロック茶ブロック
Y
Yard
野菜畑
U
Upland
高地
I
Ignition
点火
O
Obelisk
オベリスク
P
Pizza
ピザ
H
Hill
J
Jungle
ジャングル
K
Ketchup
ケチャップ
L
Logic
論理
;
N
Nature
自然
M
Melon
メロン
, . /

対応は分かったであろうか。それにしても、妙な英単語をこじ付けるものだ。 黒檀を Ebony というなんて全然知らなかった。本当に勉強になるよ、この本 は。

さて、こう関連づけているのだが、実際にキーを打つ前に、この表を暗記せ よとの指示がある。文字と色と英語と、その情景を思い浮かべて記憶せよと。 確かに、歴史の年号を暗記するのに、むりやりこじつけするのは誰しもやった ことであろうから、日本人にはこじつけ能力があるのであろう。だから、この 表くらいは簡単に覚えられるのであろう。ただし、私はここで挫折、悶絶する。

実際に打つ練習に入っても、Hillと言いながら「H」を打て、という感じで、 キーを一つ打つごとに、表の関連を思い出さなければならないらしい。

そして、ローマ字入力に達しても、「あいうえお」を打つのに、「アクア」、 「イグニッション」、「アップランド」、「エボニー」、「オベリスク」と彩 色語をつぶやきながら打鍵しよう、と恐ろしいことをさせる。

そして、打鍵水準を上げて行くために、「Aqua(青)」、「Butter(黄)」、 「Coffee(黒)」‥‥‥というように、イメージトレーニングを重ねようとの お言葉であらせられる。

この趣旨には恐れ入った。もう脱帽である。気絶、悶絶以外何もできない。 世間のキーボードアレルギーの方々は、このような本で勉強されたのかと思う と、キーボードアレルギーになるのに納得できる。こんな方法だったら、私だっ てキーボードアレルギーになったであろう。それとも、頭がおかしくなったか。


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