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書名 | パソコンで発想革命 |
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著者 | 魚住しょうじ | |
発行日 | 平成8年12月20日 | |
発行元 | ソフトバンク株式会社 | |
頁数 | 四六判、219頁 | |
定価 | 1262円(本体) | |
ISBN | 4-7973-0142-2 |
いまだにパソコンのMS-WORDなどのワープロを文書の清書のためだけに使用 している、あるいはもっと進んで秘書とかに打たせている人も多いようである。
本書は、パソコンをそういう単なる清書機に使うだけではなく、もっと違う 使いかたをしようとの本である。パソコンで、MS-WORDのアウトラインを使っ たデータの整理やら、発想やら、その他もろもろを行なうやりかたを紹介した 本である。
というところまで読むと、常連の読者は不思議に思うだろう。なぜ、私が、 そのような本を読むかと。そう、送られて来たから、さらっと目を通したので ある。
アウトライン機能は、なにもMS-WORDに限らず、私が使っているMule, Emacs にかなり前からあった。楽しんで使っている人も知っていたが、ちょっと機能 的にいまいちだし、ということで結局使わないままでいた。
本書の説明は、かなり丁寧で、発想の仕方までかなり親切である。しかし、 この親切さは、私のような人間にはうっとうしく感じられた。私の場合、どう も常識がないためか、発想の方はそんなに困らないのだが、それを支援してく れる道具がどうもという感じなのである。
いい加減に打ち込んで、ごちゃごちゃ移動して、適当に肉付けしたり、削っ たり、最後は嫌になって捨てたりしながら原稿やら報告書を作成している。
Word97も使うが、どうもスピーディさに欠けて、思考の中断を伴う。でも、 これはWordの問題というより、Windows95のとろさ、あるいはその両方が原因 なので、いかんともしがたい。Windows95も、OSレベル、ウィンドウレベルが ちゃんとしていれば、その上に乗っかっているソフトは使いやすいものも多い と思っているのだが、土台があれではね、と常に思ってしまう。
本書は、前回秋葉原までの往復で読んだんだが、そのとき秋葉原のLAOXコン ピュータ館の1階の本屋で雪宿りをしていたとき、大学生風の二人連れが話し ているのが聞こえた。
「パソコン勉強しても、何に使っていいか分からないんだよ。練習問題で、 そのへんまで教えてくれなくっちゃ」
最近は、何もかも、全部を教えなくっちゃいけないのだろうか。教えてない ことが出て来たら駄目なのだろうか。私はその場で固まってしまいそうになっ たのは言うまでもない。
それから、「何故ブラインドタッチをマスターしなければならないか?」と いう囲みがあった。ブラインドタッチではなく、タッチタイピングというべき だろうが、まあ、そんな些細なことはいい。
キーボードを見ずに打てるようになることが重要だ、ということが書かれる という日本の現実が情けない。