洋書独書記録

Daniel Tammet


書名 Born on a Blue Day
著者Daniel Tammet
初出2006 in Great Britain by Hodder & Stoughton
発行Hodder & Stoughton
頁数284ページ(本文)
定価U.K. £ 6.99
ISBN978-0-340-89975-5

著者公式サイト http://www.optimnem.co.uk/

邦訳は『ぼくには数字が風景に見える』です。

自閉症の著者は、子供のころから数字がカラフルな絵に見えたそうだ。 また、言葉(単語)にも色が付いて見えるそうだ。

そして、πの日(3/14)に、πを22,500桁暗唱することに決め、 インターネットでπの値を載せているサイトをさがして、何と 東京大学の金田研究室のデータ を利用したそうだ。スーパーコンピュータにπの計算を延々とやらせたのも役に立った訳だ。

πも数字なので、著者には風景に見えるようで、この風景を記憶していくことで、 22,500桁の暗記も可能なようだ。 優れた音楽家は、長大な交響曲でも頭に入るのだから、風景に変換できれば、記憶も可能なのだろう。

数の記憶だけでなく、語学も非常に短期間で修得できるようだ。 どのくらい短期間で修得できるかを、アイスランド語で行ったようだ。 その習得についても取材が行なわれ、世界中で放映されたようだ。 Discovery Channelで放映されたようだが、私は見損なったようで、残念だ。

このくらいとんでもない能力を持つと、脳自体が研究対象になる。 著者は、脳科学者に積極的に協力しているようだ。 著者自身も、自分自身を理解するために協力している。

自閉症と書いたが、サヴァン症候群でアスペルガー症候群というのが正確な病名らしい。 幼い時には、癲癇がひどく、一度は心臓が止まるところまで行ったが、 何とか命を取り止めたようだ。 この病気になると、強度の自閉症になるようだ。 しかし、しばしば極度に知能の高い天才もいるようだ。

子供時代は、この病気のため、周囲と一緒に何も出来なかったようだ。 また、著者だけでなく、兄弟にも自閉症者がいて、家系的な面も色々あるようだ。

また、数字に色がついて見えたりするのを共感覚というが、 これは、脳の神経の結合がちょっと違うために起きる現象らしい。

なにより良いことは、こういう才能、症状を持った本人が書いた本であることだ。 このような分野についてあれこれ書かれた本はあるが、 観察と推察に過ぎない本が多いが、自分で書いているところに共感を憶える。

英語については、とても分かりやすい。 最後にGodについて数ページ書いてあって、そこだけが読みづらかった。 今年読んだ中では一番共感できた本だった。 ただし、この本が向くかどうかは、読者によって大きく異なるのではいかと思う。

2007年10月7日

洋書独書記録