洋書独書記録

George Polya


書名 How to Solve it
a new aspect of mathematical method
著者George Polya
初出1945, Princeton University Press
発行2004, Princeton University Press
頁数本文253ページ
定価?
ISBN0-691-11966-X

この本の訳書「いかにして問題を解くか」は丸善から出ていて、 学生のときに入手した記憶がある。 しかし、読んだ記憶が全然ないので、いつものように購入だけして積読したのか、 読んだけれども完全に忘れてしまったかの何れかであろう。 多分、前者だと思う。

「数学の問題をいかにして解くか」という数学を勉強しなければならない学生にとって 夢のようなテクニックが書いてある本。 そして、数学を教える者にとっては、この本を参考に教えれば、 どんどん生徒の数学問題解答能力が向上すると期待できると思われる。

本書は、4つのパートに分れている。

  1. IN THE CLASSROOM
  2. HOW TO SOLVE IT
  3. SHORT DICTIONARY OF HEURISTIC
  4. PROBLEMS, HINTS, SOLUTIONS

教室での教えかたの説明があったり、問題のアタックの仕方の基本が説明されている。 いろいろためになることが書かれていたのだが、忘れた。 なぜ忘れたかというと、全ページの8割以上が、 PART 3 の "SHORT DICTIONARY OF HEURISTIC"で占められていたからだ。 つまり、ここが長いのである。そして、ここは DICTIONARY なのだ。 個々には面白いエピソードも入っているのだが、さすがにDICTIONARYなので、 通読するのは厳しいものがあった。 そもそも、この部分通読するのは無茶と思うが、やってみた。

辞書を過去にも通読したことはある。 新明解国語辞典を延々と通読したことはある。 日本語関係の仕事をしていたため、そのくらいのことは当然の作業であった。

しかし、辞書の通読は飽きるので、やらない方が良いと思う。 でも、本書は、DICTIONARYとはいうものの、何かの解き方を検討するのに引く辞書 というほど、いわゆる辞書的な作りにはなっていない。 色々な考え方、問題攻略方法など、小さな個々のまとまりにタイトルをつけ、 アルファベット順に並べたものである。 でも、単にそうしたのではなく、通読のことも考慮に入っている気がしないでもない 趣きはあった。

英語そのものは、全体的には平易なのだが、問題や問題の解説 (数学問題のアタック方法の解説ではない)は、意味を正確に把握しなければならず、かなり苦労した。 問題によっては、答を見て問題の意味を理解したこともしばしばである。 これでは、全然問題は解けない。 数学の前に、英語力、正確な読解力をつけなければ駄目だと痛感した。

数学的な内容について、ちょっとだけ紹介しておこう。

ギリシャの昔から錐体の体積は 底面積×高/3 であることがわかっているが、 なぜ 1/3 になるのか、ちゃんと理解しているだろうか。 小学生にもちゃんと納得させられるように説明できるだろうか。 この部分ちゃんと教えている小学校教師はどのくらいいるだろうか。 それとも、もう小学校で教えなくなったかな? まだ、円周率は3のままだっけ?

さらに、球の表面積が、 4πr2であることを教わるが、 公式の丸暗記として教わっていないだろうか。 いや、教師に脅されて無理やり公式を暗記しなかっただろうか。 なぜ、球の表面積がこうなるのかを、いきなり積分で求めるのは無茶である。 この公式はギリシャの昔から分かっていて、当時はもちろん積分などない。 円錐台の側面積の求め方を示すことで、球の表面積の求め方を読者に 暗示しているあたりは良くできている。

色々なエピソードなどが入っているので、本書あるいは訳書を隠しもって、 数学的あるいは算数的ネタとして使うことができる。

2006年9月28日
洋書独書記録