本書は、書店で "blink" と並べられて置かれていることが多いようだ。 どちらもマーケッティングの本で、ちょっとだけ視点が違うけれど、かなり近い。 本書は、流行について、あれこれ紹介している。 流行にも2種類が存在する。何かが流行るのと、流行っているのを止めるという、正と負の流行である。 アメリカの大都市、とりわけニューヨークは犯罪が多く、 とくに地下鉄は危なくて誰も乗らない状態であった。 しかし、これが、1980代年から1990年代にかけて、犯罪が激減していったのである。 要するに、犯罪を犯さない(犯せない?)ということが流行したのである。 犯罪減少のためには、どんどん取り締まりを強化することを考える訳だが、 実際に行ったのはその正反対のことである。 まず、地下鉄の落書きを消すことにした。そんなことをしても、地下鉄犯罪が減るはずがないと 反対するものが多かったが、落書きが消えるとともに犯罪も減少し、客が戻ってきた。 さらに、無賃乗車など、軽い犯罪をしっかり取り締まったのである。 軽い犯罪だからといって犯してはいけないというのやったのである。 ブタ箱に入れるのではなくて、手錠をして、改札のところに立たせて、皆に見えるようにしたのである。 やり方はともかく、とても軽い犯罪をしっかり取り締まることで、 地下鉄の犯罪はどんどん減って、安全な地下鉄になったという。 自殺の流行についての分析はいろいろされていた。 ミクロネシアでは、そもそも自殺というものがなかったのだが、 有力者の息子が自殺したら、次々と自殺するものが出てきて、 ものすごい高い自殺率になってしまったという。 自殺と、新聞の自殺記事との関連についての分析があった。 もちろん、おおいに関連があるという。 さらに、自動車事故の一部は、自殺ではないかとも書かれていた。 自動車事故統計と、新聞の自殺記事との関連がしっかりあるという。 自動車事故を装って自殺する者がいるということだ。 しかし、自動車での自殺は、まわりを巻き込む可能性が高いので、困ったものである。 喫煙、禁煙についての分析があった。 単に流行という分析にとどまらず、そもそもニコチンに耐えられる遺伝子をもっているかどうかも 重要な要素になっているという。 ニコチンに耐えられない人は、決して喫煙者にはなれない。 喫煙している者は、一応ニコチンに耐える遺伝子を持っているという。 全世界で、なんとか未成年者の喫煙をやめさせようとしているが、さっぱり成功していないという。 実際、日本でも未成年の喫煙はかなりあるのではないかと思う。 規制を厳重にすれば、喫煙はなくなるというのは誤りであるという。 若いということは、何かやってはいけないということに興味を持ち、試してみることだという。 確かにそうだろう。そうでなければ、社会は進歩しないだろう。 禁煙運動を強化すると、えてして喫煙率が上がったりするという。 喫煙者と非喫煙者の平均寿命にはもちろんかなり差がある(本書では確か6年だった)。 喫煙者が、喫煙し続けることによって、どれだけ寿命が短くなると思っているかだが、 実は実際よりもより短くなると思っているのである。 喫煙の危険性を十分に認識した上で喫煙しているので、 いくら命が縮まると医者が本人に言っても、意味は無いという。 意味があるのは、大切な人から、「長生きするために禁煙して」と懇願されることだけだろう。 その他にもいろいろ書かれていたが、詳しくは読んで欲しい。 とにかく、様々な例が上げられている。 本書の最後に、書かれていた言葉をあげておく。 Look at the world around you. It may seem like an immovable, implacable place. It is not. With the slightest push --- in just the right place --- it can be tipped. 成功するためには、むやみやたらに頑張るだけではダメ。 ツボをちゃんと押せば、世界は動き出す! 2008年11月3日 |
ナンプレ問題 |