洋書独書記録

TOLKIEN


書名 THE HOBBIT
著者J.R.R. Tolkien
初出1966
発行2001 Houghton Mifflin Company
頁数330ページ(本文)
定価$10.00 US
ISBN978-0-618-15082-3

極めて有名な、私でも題名と著者名だけはずっと前から知っていたが、 日本語訳も含めて、まったく読んだことのない本の1つであった。 昨今は、冒険物語というとハリポタということになり、 ハリポタを読むのが普通の人間なのだろう。

しかし、誰もが読んでいる本を読むというのが、まず気に入らない。 それに、ハリポタはとても長い。第1巻だけで終えるならともかく、 全巻読み切ろうと思ったりすると大変なことになる。

トールキンであるが、実は指輪物語"The Lord of the Rings"があり、 こちらはとんでもない長編で、考えただけで降参してしまうような分厚い本である。 翻訳を見たら、増補も含めると10冊になっていた。

さて、"THE HOBBIT"(ホビットの冒険)であるが、 題名からして何となくやさしそうな感じがしたし、少年向け冒険物語と思い込んで読み始めた。 まあ、最初は、慣れない冒険物語なので、冒険用語にたくさん遭遇するのはやむを得ないと思っていた。

それはまだ良かった。登場人物(小人)がとても多いのである。 小人といっても、実はいろいろなタイプがあるようで、本書で中心になる小人はドワーフと呼ばれる。

のんびりと暮らしているホビットが、急に13名のドワーフを連れて冒険に出る。 そして、お約束どおり、様々な戦いが待っていて、何とかなって、宝の山にたどりついたと おもったら、ドラゴンが宝を守っていた。 ものすごい強力なドラゴンで、何でも焼き払ってしまうし、何でも破壊してしまうようなのだが、 弱点もあって、あっさり死んでしまう。ちょっと話が唐突なかんじでさえある。

とにかく登場人物が多いのだが、とても覚えられないので、覚えるのを無視して、 どんな事件が発生するのかだけを追えば大丈夫というありがたい助言もあって、 何とか読み進めた。確かに、ドラゴンが死ぬところ(80%経過のあたり)までは、 話の流れを掴めたのであった。

しかし、その後、ドラゴン以外の登場人物(小人、狼、など)が入り乱れての戦いになる。 そして、さらに応援が駆けつけてきたりして、もうめちゃめちゃになって、 話にほとんどついていけなくなってしまった。 子供が、こんな話をちゃんと読めているのだろうか疑問に思った。私にはとても無理。

それでも、5種族が絡み合った戦いも何とか終わる。 実は、ホビットは魔法の指輪を持っていて、それをはめてしまうと透明ホビットになれるので、 戦いにあまり巻き込まれなくてすみ、傍観者的な立場になれる。 堂々と戦う物語かと思っていたから、大いに違うところもあった。

長い旅も、復路の記述は極めて簡単で、なんだか瞬間的に戻れてしまった感じである。 かなりあっけに取られる感じだ。

本書の英語は、決してやさしくない。詩がしばしば出てくるが、とても分かりにくい。 詩の部分は、意味を理解するというより、感覚を把握しなければいけないのだろうが、 それは日本語の詩でさえ難しいのに、英語ではどうにもならなかった。 さらに、古い英語表現もかなり見受けられた。もうこうなると、さっぱり分からなくなる。

ということで、どんどん分からなくなってしまったので、 『ホビットの冒険』を図書館で探して、一部だけだけれど読んだ。 自分の理解が正しいか不安であったので、とくにドラゴンが死んでからの混乱の個所を中心に読んだ。

岩波から出ている『ホビットの冒険』を読んだのだが、挿絵が違った。 よく見ると、岩波版は、独自に挿絵をいっぱい描いたようだった。 英文の挿絵の数は10枚ないくらいなのに、岩波版には何倍も入っていた。 また、英語版では、風景、屋内とかだけで、小人などはどこにも描かれていないのだが、 岩波版は、小人がしっかり描かれていた。 どうも、長い長い冒険物語をほとんど文字だけで語ろうというのではなく、 理解を助ける挿絵により、読解の補助をしようとしていると感じられた。 つまり、岩波版では、挿絵はとても重要な意味を持っているようだった。 英語版にこの挿絵があれば、読み進むのがずいぶん楽になるのにと思った次第である。 岩波版の挿絵が全世界に出て行くなんてことはないのだろうか。

まあ、こんな読み方になってしまったので、感激なんてのは無理であった。 だいたいは理解できたけれど、人間関係、小人関係はちっとも把握できないままで読み終えた。

THE HOBBIT がこのレベルということは、指輪物語"The Lord of the Rings"は まだまだ不可能だというのを痛切に感じた。日本語で読んでも難しい。

2008年10月8日

インターンシップ体験記


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