洋書独書記録

Philip Ball


書名 critical mass
how one thing leads to anothere
著者Philip Ball
発行2004, Arrow Books, Random House
頁数644ページ
定価U.K. £ 9.99
ISBN0-09-945786-5

本書は、とにかくぶ厚い本である。本文だけで590ページもあるのに、 気の迷いで読み始めた。あまりの厚さで、鞄に入れて持ち歩くのもちょっとと 思われた。

もちろん、途中で挫折しそうになった。半分を過ぎたあたりで、なかなか 興味を維持するのが難しくなりそうになったのだが、それでもなんとか 分らないところは無視しながら、最後までページをめくることはできた。 意味不明のページも多数あった。

本書は、社会物理学の本である。といっても、これでは理解できないだろう。 物理の中でも統計物理学、粒子が非常に沢山ある状態を、人間社会の複雑な 訳のわからん状態とを同じように取り扱って、社会現象を分析してみた本である。

一般には、社会現象を取り扱うとき、やたらに意味とか、もっと飛んでもない人は 意義とかをうるさく言うが、そういうことを一切考えず、物理現象のように 冷静に、あるいは冷徹に分析してみると何が分るかという本である。

この本によると、大恐慌も一定の確率で発生する物理現象と何ら変らないことになる。 社会現象の中には、急にまるで雪崩のように一気に変化がおきることがあるが、 そういうことも物理現象として扱っている。特に、相の変化について、 物理現象と社会現象を比較していたように思う。

コンピュータを使っての社会現象のシミュレーションの真似事もいくつか載っている。 国は、有史以前から、出来ては消え、結局世界を全部支配してしまった時期は一度もない のだが、色々な国が混在する現象の正当化もごちゃごちゃ書いてあった。

この本を読んでの感想は、人間がいくら苦労して考えても、そんなことには なんら左右されず、社会は動くべき方向に動いてしまうような印象を与えることだ。 でも、きわどいバランスのときには、小指の先でツンと押すだけで、 英雄にもなれることも分ったが、 それを上手に見分ける賢い方法の伝授はどこにも書かれていなかった(と思う)。

英語のレベルについていえば、結構難しかった。物理の説明は何となく読めたが、 社会科学の分野になると、知らない単語がやたらに出て来て、もう何が何やら さっぱり分らないのである。 ということで、肝心なことは理解できなかったと確信している。

2006年12月6日
洋書独書記録