洋書独書記録

teach yourself シリーズ


書名 teach yourself electronics
著者dr malcolm plant
発行First published in UK in 1988 by Hodder Education
頁数本文318ページ
定価$13.95
ISBN978-0-07-145209-0

ポピュラーサイエンス、自然科学系の本、特に数学、物理、脳科学関係は何冊か読んだが、 もうちょっと幅を広げて、エンジニアリングの分野を読んでみた。

そもそもエンジニアなんぞ目指したこともないのであるが、 いつのまにかエンジニアもどきの仕事をする羽目に陥っていることもあり、 今回は電子工学ならぬ『電子工作』分野に挑戦してみたのである。

ネットで調べれば非常に多数の中から選べるであろうが、 しっかり立ち読みすることができない。それでも、折角東京に居るので、 大手書店の洋書売場に行けば、すこしは工学の本も並んでいる。 しかし、入門書となると、非常に少ない。値段が張り、重量物である専門書が多く、 ちょっと手が出ない。

それでも、初心者向けの本はすこしは存在する。 初心者向けのシリーズが3種類ほどあるのだが、今回はコンパクトさを考えて、 本書になったのである。サイズは、A5よりさらに1まわり小さく、持ち歩きにはとてもよい。

内容は、電子工学と電子工作の中間みたいな本といって良いだろうか。 半導体の原理、基本的な回路の原理、原子と電子、など一応の説明がある。 図、表、数式が適度に混じっていて、解説も結構丁寧に始まる。

説明は時々間違っているというか、だいたい文章は正しいのだが、 図、表などが校正不足かミスが残っていた。まあ、お愛敬という程度ではあるが。

それより、最初丁寧だった説明が、どんどんペースがあがり、アンプの説明あたりになると、 アンプ自体の動作原理の説明は省略され、利用方法についての解説ばかりになってくる。 様々なICの紹介があり、ICのピン番号(ゲジゲジ虫の足番号)が何とかの説明が増えて来る。 どんどんブラックボックス化してしまい、原理はよく分らないが、 ICを使えるようにはなるかも知れないと思われた。

最近のアンプは目茶苦茶高性能だ。電気をほとんど流さず、電圧増幅率は1万倍以上があたりまえ とか、私の知らない間に、めちゃんこ強力なアンプが普及してしまったようだ。 まあ、このような超高性能なアンプの中味がどうなっているのかは、 それだけでしっかり勉強しないといけない情况だろうから、 いまや電子工作もブラックボックスとなってしまったのは仕方がないことと 諦めないといけないらしい。 しかし、これでは、学ぶ楽しみが激減してしまう。

内容は多肢に渡っており、簡単な回路から、アナログ⇔デジタル変換、集積回路の作り方、 それもシリコンだけでなく、ガリウム砒素という猛毒を使うと高性能な集積回路が出来るとか。

そして、最後の章は、telecomunications systemsで、電磁波の性質から始まり、 ラジオ、テレビ、カラーテレビ、なぜかCCDがでてきたり、デジタル通信、光ファイバーの原理 と現代の通信工学にまで言及しようと欲張っている。

入門書によくあるパターンで、最初は丁寧に、途中から説明をどんどん省略し、 内容がどんどん多肢に渡り、指数関数的に内容が増えてしまうという典型的な 執筆パターンであった。とにかく、一冊に詰めこみ過ぎた本である。 練習問題は面倒だから解かなかったが、electronicsという広大な分野を、 たった一冊の本で理解するのは無茶以外の何物でもないだろう。

そのうち、もうちょっとじっくりと解説しているような本を読もうかと思った次第である。

2008年6月8日


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