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『明治新刻 廣集玉篇大全』
鈴本音彦編輯、田中宋栄堂梓

「庚虎」とあるので、ちょうど100年前の字引です。和綴じで、厚さ8セ ンチもあります。

「字」を引くためだけの辞書であり、読みとか、類字などが分かるようになっ ていて、今の漢和辞典の一部の機能のみです。


凡例

目次

目次には、部首が並んでいます。現在の漢和辞典よりも細かく分類されてい ます。

検字

画数から字を引く為の索引の最後の部分です。これは、現在の漢和辞典の 「総画索引」と同じです。

最大画数の字は、雷が4つ(縦横2つずつ)並んだ字となっています。 その他にも非常に画数の多い字が並んでいて、一般の漢和辞典よりも遥かに 多い字数が収録されていることが分かります。

辨字

今の漢和辞典には一般には無いものです。相似な文字が、画数別に整理され て並べられています。この部分には大変感心させられます。できることならば、 現在の漢和辞典にも採り入れてくれればと思う機能です。

畫引

本体部分です。この部分も、現在の漢和辞典と同じ順序に並んでいます。

小さな四角な枠の中に、明朝体的な漢字が大きく書かれてあり、音読みが右 側に書かれてあり、意味に相当する訓読みが字の下に、いずれもカタカナで表 記してあります。その他に、若干の説明が加わっていたりします。


余話

この字引は、私の実家の蔵から発見されたものです。極めて良好な状態で見 つかり、まだまだ充分に引くことができます。

100年前の字引の感じを少しは味わってもらえましたでしょうか。

今、電子図書館とか称して、ごく普通の本や雑誌をスキャナーで取り込み、 そのイメージデータを集めた巨大なデータベースを作ろうとかしていますが、 そんなことはたいして意味が無いでしょう。税金の無駄使いであり、インター ネットを不用に混雑させるものであり、無駄に資源を浪費するものではないで しょうか。多くの研究者の間でそういう声を私は耳にしています。

それよりも、この字引のようなものこそ、全ページをスキャナーで取り込み、 パソコンなどでも自由に検索できるようにCD−ROMにするとかという発想 が生まれないのでしょうか?その方が、後世の為にもなるし、多くの研究者に も役立つことでしょう。

でも、『電子図書館=イメージ図書館』という発想をしてしまう今の日本の 図書館は、日本の文化をどうみようとしているのか、私には訳が分かりません。


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