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開院準備  ■昔むかし


私がコンピュータを始めたのはもう16年も前になります。半田ごてを持っ て、TK-80なんてキットを組み立てたりしました。今から考えるとまるで情報 のない時代でした。趣味のパズルで、しらみつぶしに検索するのに、自分でやっ たらミスはするし、面倒くさくてやってられないので、ばかばかしい作業を代 わりにやってくれる道具を捜していました。そのころ世に出てきたのがマイク ロコンピュータでした。

当時はパソコンという言葉さえ存在しませんでした。今のパソコンよりも遥 かに低速なVAX-11/780という1億円もするコンピュータ、といってもメモリは 増設してやっと750キロバイト、ハードディスクは50メガバイトを使って、3 次元CADプログラムを組むという、今考えると空恐ろしいことをやったりもし ました。あるいは、それよりもさらに前に、1600万色フルカラーの画像処理装 置のプログラムの開発をしていました。たった2MBのメモリを管理するため に、専用のハードウェアメンテナンス要員がいました。

AppleIIにCP/Mボードを挿して、全部アセンブラでコンパイラを作り上げた りもしました。それどころか、CPU不明のポケットコンピュータ相手に、付属 していたBASICを使って、ROMの内容をみんなで解析して、分かった範囲のマシ ン語を利用して液晶ディスプレイを高速に制御し、ゲームを作って遊ぶという 狂気じみたことまでやったり、やらせたりという、旧き良き時代がありました。

そういうことをしていたので、結構周りにはコンピュータをよく知っている のがうろうろしていて、新しい情報を容易に入手できました。コンピュータ関 係の雑誌や単行本も少なく、刊行されているものはとにかく全部購入してしま うということをしても金が続きました。全く情報の少ない、旧き良き時代でし た。

C言語については、カーニハンの『プログラミング言語C』の英語版の青焼 を見たのが最初だった記憶があります。その後日本語訳がすぐに出て、使える 環境がないにもかかわらず読んでみました。当時、どこまで理解して読んだか 全然覚えていません。それからしばらくして、会社でUNIXを導入することになっ てからは、Cを毎日使用するようになりました。もう10年以上も前のことで す。

その後のコンピュータの発展は、予想はしていたものの本当にすばらしいも のです。ハードウェア性能はどんどん向上し、どんどん使いやすくなって来ま した。美しい3次元コンピュータグラフィックスの表示を家庭で自由に楽しめ る時代も現実になりつつあります。

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