『Cプログラミング診断室』目次次(第1章 普通の初心者 上手になる秘訣)

開院準備  ■開院


さて、そろそろ開院です。いくら文章を書き並べて、正しいプログラミング 作法の講義をしても訴えるものがなく、眠けを催す本をまた1冊世に送り出す ことになってしまいます。医学においても、実際の生身の患者を相手に臨床実 習を行ない、現実の切実な問題に対処できて始めて一人前の医者なり看護婦な りになれるのです。これは、医学とか、コンピュータとかに限ったことではな いでしょう。あらゆる分野で、実習は最も価値のある教育現場です。

本書では、実際に仕事で使うために書かれた、つまり必要だから書いたプロ グラムに対して診断を行なっています。できるだけプログラムは全体を掲載す るようにしました。直接問題になっている一部だけ見せて、その直し方、治療 方法を示しても、それでは現実の世界を反映したことにはなりません。できる だけ作成者の本来の意図を反映した形で元のプログラム全体を書き換えること で、部分的ではない修正方法を示すように努力しました。

本書で示している修正は、完璧をめざしてはいません。完璧などめざしたら、 ついついプログラム全体を破棄して、奇麗に書き換えてしまいたくなってしま います。私も一人の人間だし、完璧なプログラムなどそうそう書ける訳ではあ りません。しかし、十分に納得できるようなプログラムの修正方法を、私が現 場で作業している情況に近い形で示しました。本当は、ビデオで提供できたら もっと良かったかも知れませんが、そうもいかないので紙上で説明しました。

これだけ色々書いて心の準備をしていただいたので、どんなプログラムを見 ても卒倒などしないと思います。では、診察を開始することにいたしましょう。

私は、UNIX上で仕事をし、この原稿も書いています。読者から送られて きたCプログラムもUNIXのファイルに変換して評価しています。MS−D OSに強力に依存していないものは、UNIX上のGCCでコンパイルし、実 行して動作確認も行なっています。こういう環境で作業をしている関係で、U NIX上ではあまり都合の良くない半角カタカナは全角カタカナに変換してい ます。とくに、パソコン上でないと評価できないプログラムは、MS−Cで評 価しました。

■参考文献

[0-1]「こちら救命センター/病棟こぼれ話」、浜辺祐一、集英社文庫


ここまで無料で閲覧できましたが、著者に恩義を 感じ、本書を閲覧してお気に召しましたら、他の者にも本ページの存在を知ら せる義務がございます。いいですね。忘れちゃいけ ませんよ。たいした手間ではないでしょう? (^_^)

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