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開院準備  ■レベル差


コンピュータが良くなり、より複雑な処理をするプログラムがどんどん増え てきました。大学には多数の情報関係の学科が新設され、コンピュータ専門学 校もどんどん増え、多数のプログラマを排出しました。したがって、プログラ ムの開発技術の方も着実に進歩したと考えるのが当然でしょう。いまでは、学 校で正規にプログラミング教育を受けた人達がプログラムを組むようになって きたので、コンピュータメーカ、大手企業のソフト開発部門から中小ソフトハ ウスに至るまで、ソフト開発のレベルも自然に上がってきたと考えるべきでしょ う。

しかし、現実の姿は全く反対で、技術レベル差はますます広がり、下級レベ ルは「ごみプログラム」を大量生産しているだけになってしまいました。趣味 のプログラマが下手で、どうしようもないのは趣味だからまだ良いのですが、 下手なプログラマが報酬を得て下手なプログラムを組み、そのプログラムで社 会活動の一部が動いているかと思うとゾッとします。コンピュータは日常生活 のあらゆる分野に入り込んでいるので、人権、金銭、財産に関することはもち ろん、交通機関、医療機械などでもどんどん利用されているので、バグが生命 を奪う危険性も当然考えられます。

プログラマという名前さえついていれば、誰あるいはどの会社に発注しよう と同程度のプログラムができ上がると思っている人がいます。相見積りをとり、 できるだけ安いところに決定することが良く行なわれています。これはとんで もない間違いです。プログラムの開発は、一度始めたら、あらゆるものがコン ピュータ処理になっていくため、少々どころか全然満足できないプログラムで さえ我慢して使い続け、拡張し続ける運命にあります。最初が肝心です。最初 にきちんとした人が開発していれば、その後の保守、拡張はスムーズにできた はずなのに、土台がだめなので何をやってもうまく行かず、システム全体を廃 棄処分にしてしまうことすらあります。もっと悲惨なのは、リース期限が切れ るまで、使いもしない粗大ごみを社内にデーンと置いておくことでしょう。

少々不満でも、発注先を別の会社に変更すると慣れるまでの時間がかかると の判断で、いつまでも同じ所に発注し続ける傾向があります。どの専門分野で も同じ傾向がありますが、客はそんなにコンピュータに詳しくないので、どこ に発注するのが一番ベストか分からないのが普通です。現在付き合っている会 社の技術レベルを標準と考えがちです。複数の会社に仕事を出すと、各社の色々 な分野でのレベル差とか特徴が分かってきて、継続して発注すべき所と、早く 切り捨てた方が良い所が分かってきます。

プログラムの単価は、まだまだ1行いくらという、内職と同じレベルで評価 されることが多いのです。もちろん、コンピュータ会社以外の経理部門などが そういう考え方をするのはやむを得ないと思いますが、まだまだコンピュータ で生計を立てている会社ですら、その様な技術を無視した考えを持っていると ころが多いものです。



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