『Cプログラミング診断室』目次次(第1章 普通の初心者 プログラムの紹介)

第1章 普通の初心者

上手になる秘訣


上手になるには、上手な師匠につくことが一番ですが、周りにCをちゃんと教えてくれる人がい ない場合も多いでしょう。大都市に住んでいる場合や、大企業の技術者の場合は、その気で探せば 結構身近にいるものです。でも、そうでない人にとっては、本や雑誌くらいしか情報がないといえ ます。パソコン通信を利用するのも手ですが、やはり直接教えてもらう方が優れています。

プログラムを教えてもらうには、まず、自分でプログラムをどんどん書いてください。たぶん、 いっぱい失敗をするでしょう。原因の大部分は自分だけで分かるでしょうが、どうしても分からな い個所はよく知っている人に聞いてみましょう。

すでにCでプログラムを組んでいる人は、ソースプログラムを診断してもらってください。でき れば、何万行、何十万行のCプログラム開発経験がある人ならば最高です。でも、「ひどいプログ ラムだ」と言われるのが普通でしょう。どこが下手なのか、じっくりと聞き出してください。初心 者のうちは、上級者の言うことは理解不能な内容も多いですが、できるだけ理解するように努力し ましょう。最初は理解できなくても、そのうちできるようになる時期がきます。

自分のプログラムを人に見せると同時に、人のプログラム、できれば優秀なプログラムをできる だけ見て参考にしてください。今では、Cで書かれたPDSがいっぱいあるので、入手は比較的簡 単ですね。

Cの本はいっぱいありますが、Cの勉強そのものを目的にした本は、どうしても細部にこだわっ たものが多く、表面的な知識や技術に終わってしまいがちです。本はいっぱい読んでください。効 率良くノウハウを身につけられます。でも、本だけに頼るのは危険です。

本を読み、自分でプログラムも組み、そのプログラムを人に見せて批評してもらい、人のプログ ラムも読んでください。これだけすれば、絶対上達するはずです。

あるパソコンソフトハウスでの話です。Cプログラム経験が何年あっても、すごく下手なプログ ラムを書いている人たちがいました。彼らは、自分たちのソースプログラムをできるだけ隠し、誰 にもソースを見られないよう努力していたのでした。グループ内部にもCの得意な人もいず、外部 に教育やコンサルティングも依頼しなかったため、あまり分からないままCのプログラムの量だけ が肥大していきました。初期にちゃんとした指導がなされていたら、いったい何十人年(何億円) の節約になったことでしょう。

これは1社だけではありませんでした。みなさん、こんなことにならないように気をつけましょ う。



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