『Cプログラミング診断室』目次次(第1章 普通の初心者 無駄な努力をやめよう)

第1章 普通の初心者

コメントについて


リスト1−1には、コメントは入っているのですが、あまり効果的ではありません。

一番困るのは、関数の始まりが、すぐには分からないことです。関数の始まりは、プログラムで 一番重要なところなので、できるだけ目立つように、最低でも

  /************************************************************************/
  /*                          MELSECの呼び出し                      */
  /************************************************************************/
  

という感じにしたいものです。大きなプログラムを多人数で開発するときなどには、関数名、機能 説明、引数の説明、注意事項などをきれいに書いておくと、後で見たとき、この関数はどういう関 数だったかすぐに分かります。そして、再利用でき、生産性も向上します。

関数の先頭が分からないのに、関数の途中のコメントが、行の先頭から始まっていて、まるでコ メントの位置で関数が切れるように感じられます。特に170行、216行のコメントはそうです。 このようなコメントは、他の部分と同様に「字下げ」をしたほうが意図がよく分かります。

たぶん、このプログラムを書いた人は、関数が長くなり過ぎ、実行部の開始位置、データ書き込 み部分、データ読み込み部分が分からなくなって、目立つコメントを入れたのでしょう。でも、そ れは本末転倒です。関数を短くすれば、こんな目立つコメントの入れ方は不要だったでしょう。

自分の書いたプログラムで、書いているときは良く分かっていても、後で見ると全然分からない ことがあります。それどころか、「だれだ、いったいこんなプログラムを書きやがって!」と思っ て調べてみると、自分のプログラムだったりするものです。

「急がば回れ」です。コメントを書く時間を惜しむと、他でもっと時間を無駄にしてしまいます。

それから、staticの場合には、グローバルな関数のようには目立たない方が良いので、私は

  /*---------------------------------------------------------------------*/
  /*                  static関数の頭のコメント                           */
  /*---------------------------------------------------------------------*/
  

の様にしています。

O'Reilly Japan刊

3/14発売
増刷:第3刷決定♪

オープンソース
Scheme言語処理系
Gaucheの愛好者団体

詳細はブログで



Copyright1996 Hirofumi Fujiwara. No reproduction or republication without written permission
『Cプログラミング診断室』目次次(第1章 普通の初心者 無駄な努力をやめよう)