■名前の規則■C言語では、名前(識別子)がいろいろな個所に表れます。主要なものは、変数、関数名、マク ロ名であり、名前を見ただけでどれか判別できるようにすべきでしょう。 だいたい、以下の規則で書くのが一般的です。
マクロ名 ‥‥‥ 全部大文字 変数名 ‥‥‥ 全部小文字 関数名 ‥‥‥ 全部小文字または単語の先頭文字だけ大文字 名前は、単語をつなげてできるだけ意味を表すようにします。つなぎ方には、_(下線)でする のと、各単語の先頭文字を大文字にする方法があります。どちらが良いかは、一概には言えないよ うです。 小さなプログラムのときには、関数名は小文字だけで済ませることが多いのですが、プログラム が大きくなると、きちんとしたライブラリ化の必要性から、他の名前と決っして混乱しないように、 先頭何文字かに特別な文字を使います。例えば、世間を騒がせているXウィンドの関数はすべて英 大文字のXで始まります。例えば、 XOpenDisplay XCreateSimpleWindow XDrawLineという感じの関数名がつけられています。 また、局所的/大域的で分けることもあります。一般には、局所的なものは小文字で、大域的な ものは大文字で表します。 一番大切なことは、プログラム全体で、名前の付け方が統一されていることです。大きなプロジェ クトでは、この管理のためだけに人がついたり、ソフトを作ったりすることさえあります。それほ ど重要なのです。
■変数名■関数名と変数名などの識別子は、プログラムの分かりやすさを決める決定的要因の一つです。 元のプログラムを見ると、1、2文字の変数名が相当ありますね。for ループに使うカウンタが i であったりするのはいいのですが、その他にもいっぱい短い変数があります。2文字以下の変数名 として、
bi, c, cn, wl, fd, dd, tn, dw, rc などが使用されています。いったい何の目的で使っているか想像できますか。「暗号」ですね。fd は、場所によって、first device と file descriptor の意味で使われています。 BASICを使っていた人は、長い名前を使うと遅くなるなんて考えが身に染み着いているように思 えます。Cコンパイラでは、決してそのようなことはありません。分かりやすさが大切です。意味 を表す変数名を使ってください。 名前のつけ方は、まず、長くしてください。けっして2、3文字にはしないように。まして、1文 字の変数名は絶対やめましょう。 たとえば、次のように変更すると良いでしょう。
cn --> count fd --> first_dev とにかく、英語でもローマ字でもかまわないから、できるだけ意味のある、フルスペルに近いも のにしましょう。
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