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第6章 不慣れ

その他


前回までの下手なプログラム例は、MS-DOS上のもので、C言語以前に、コンピュータ自体をほと んど知らないのではと思うものばかりでした。今回はリストを見ても、ちょっと表現できないので すが、趣が違います。以上の他にも気になった点を、おもむくままに書いておきますので参考にし てください。

■長い名前■

Xウィンドのプログラムを作り出すと、名前がどうしても長くなります。Xウィンドのプログラ ムですから、当然Xウィンドを使って開発していることを前提にしているので、1行80文字の制限 など考えずに、名前は見ただけで何を意味しているか分かるように長く長くしています。ついつい ユーザの方も、構造体内部のメンバー名まで長くして、-> でポインタをたどったときには長くな りすぎて読みづらくなりやすいようです。名前は分かりやすく短くが最良です。リスト6−11を 見ると、
      pointer->panel_toggle_val
      pointer->toggle_index
のような使い方がありますが、最初の方のpanel_は無くてもよく、toggle_valでも十分でしょう。 名前があちこちで少しづつ長くなってくると、プログラムが少しづつごちゃごちゃしてきます。

短く、すっきりして、なおかつ分かりやすい名前にすることは、永遠の問題です。C言語に限ら ず、どのプログラミング言語を使っても一番難しい問題ですが、いつも気にとめておくことは必要 です。

■気になること■

最後に、いつもの問題点などもありましたので、見ていて気になった点を個条書にしておきます。
(1) 不要になった部分をコメントアウトだけしていつまでも残している。

(2) デバッグライトが見苦しい。

(3) 1行80字にこだわり過ぎ。

(4) 関数内部の局所変数の個数が多い。

(5) ムダなキャストが多い。

(6) /* と */ で囲んで、かなり長い部分をコメントアウトしていて、 どの部分が実行される部分か分かりにくい。

(7) コメントが極端に少ない。個人用プログラムや、使い捨てプログラ ムには不要だが、多数の人が保守する開発では、ちゃんとコメントを入れるべ き。

(8) for ループにすると簡単になるのに、whileループを使って苦労している。

(9) 長ーい長ーいswitch文がある。

(10) 必要もないのに、変数に代入してから引数に書いている。お かげで、ムダな局所変数が増えている。
だいたい、以上の項目が絡みあって、読みにくさを醸し出しています。


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