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第9章 珠玉の力作

プログラムの紹介


今回のプログラムはすごい。もう十年近くCプログラムを組んだり、人のプログラムを修正した りしていますが、こんなに「力」のこもった力作は見たことがありません。このプログラムと出会っ てから、今まで診断室でご覧いただいたリストを美しく感るようになってしまいました。

それだけではありません。よりエレガントに、より美しく、よりコンパクトに、より分かりやす く、より保守しやすいように等々の考えをすべて吹き飛ばしてくれました。プログラム開発に関す るあらゆる書物で、「するな」といわれることを集大成した程度ではありません。こんなプログラ ムを書くプログラマたちの存在など想像できませんでした。でも、生息していたのです。

もっと驚いたことは、このプログラムが、世界に誇る日本の先端技術に関連するものであること です。Xウィンド上のXViewで書かれたプログラムで、ボタンやメニューをマウスで操作するだけ で精密なカラー画像の編集と高精度な画像データの入出力を行うものです。精度を上げると、画像 データがメモリをどんどん食いつぶし、あっという間に50MB〜100MBにもなる巨大データを扱うプ ログラムでもあります。

プログラム全体の長さは約13万行に及ぶ比較的大きなものですが、あまり効率よい書き方をして いないので長くなっています。どのくらい圧縮できるか楽しみなソフトです。

では、心臓マヒを起こさないように、軽症の部分から診ていきましょう。


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