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プロバイダの格差


ンターネットを利用する場合、大学などの教育機 関などを除けば、企業も個人も必ずプロバイダにつないがないといけない。プ ロバイダは、基本的には、全世界に広がったインターネットと各人のコンピュー タとを中継する業者である。そして、このプロバイダを利用しない限り、イン ターネットに接続する手段は一般にはない。

プロバイダは、全世界のプロバイダ同士を回線で結び、互いに協力と競争を しながら商売をしている。この設備の維持費や人件費などを、結局加入者であ る企業とか個人からの利用料金でまかなっている。

極端に安い利用料金を設定し、とりあえず利用してもらおうとしているプロ バイダもある。利用料金のみで採算を取ろうとはせず、その他の宣伝効果とか 別の方法とからめて利益をあげようとしているプロバイダもある。

コンピュータや通信機器の価格急落により、早い時期に設備投資をしすぎた プロバイダは苦しかったりする。機器の値下がりと、インターネットの急激な 普及と、市場全体の利用料金の低下傾向をうまくバランスを取れなかった場合 には、そのプロバイダは 破滅への道を進むことになってしまう。

て、一般利用者の立場になって、どういうふうにプ ロバイダを選択すべきかを考えてみよう。企業の場合、24時間インターネッ トに接続し、いつでも自由にデータを送り続けることが必要な場合もあれば、 プロバイダにホームページを置き、必要なときだけ電話をかけてインターネッ トに接続するだけで十分な場合もある。

料金については、まったくの時価といった状態であ り、最新の雑誌などで調べるのがよい。日々料金は変化しているので、それぞ れのプロバイダに確認する以外に手はない。

料金は調べれば分かるし、金額という数値ではっきり示されるので比較は容 易である。しかし、重要なのは各プロバイダの質である。申し込んで金を払っ たはいいが、いくら電話をかけても繋がらないのでは、いくら安くても話にな らない。まあ、極端に安いプロバイダは電話回線の数が少なく、それに比べて 客が多すぎて繋がらないのが一般的である。

繋がらなくても待てる場合はよいが、仕事などで利用する場合は、ある程度 の金額を払っても繋がるようにするとか、さらに一歩進めて、専用回線で24 時間いつでも繋がっている状態にすべきである。

頻繁に電話をかける場合には、電話料金も結構な金額になってしまうので、 アナログの専用回線の方が安くなる場合も少なくない。

は、自分が繋いでいるプロバイダが、他のプロバイ ダとちゃんと繋がっているかが問題である。多くのプロバイダが互いに繋がっ ているのであるが、大量にデータを送れる太い回線で繋がっている場合もあれ ば、個人が使っても限界に達してしまう程度の少量のデータしか送れない細い 回線で繋がっている場合もある。

実際、一人なら使えるが、二人以上では苦しいくらい細い回線しか用意して いないプロバイダもある。中小プロバイダや地方のプロバイダの場合、必ず上 位のプロバイダが存在し、利用者はその回線を通って他のプロバイダを利用し ている人々との通信が行なわれるので、上位プロバイダへの回線の太さは特に 重要である。そして、重要であるからこそ、回線の太さを隠す。回線の太さを 非公開にしている場合は、 限りなく細い回線と仮定してまず間違いない。

実際の情報は、日本のあちこち、さらには世界のあちこちにあり、それぞれ 通過してくる経路は異なる。したがって、どこからもできるだけ便利な位置に 自分がいると、どこの情報も見やすい。

これは、交通網とまったく同じである。高速道路や幹線道路の近くであれば スピードを上げて走れるが、細い道路ではゆっくり走らざるを得ない。情報は、 自分と相手の2個所を移動していくのであるから、もっとも遅い部分により全 体のスピードは決まる。

といっても、たった1年くらい前の常識では、日本 国内の通信回線は非常に遅いから、国内の通信経路を利用するより、一度アメ リカまで行ってからまた戻ってくる方が速いと言われていた。

実際、1995年の末ころまでは、
「我社は海外に直接繋がっているから速い」
と自慢しているプロバイダがあった。日本国内のインターネット網にも繋が り、海外にも独自に太い回線で繋がっているのなら速いであろうが、まったく そんなことはなかった。そこのプロバイダはかなり長い間、回線速度が遅すぎ てほとんど通信できないような状態であったが、国内回線を太くしてから非常 にスムーズに流れるようになった。

太い回線があっても、利用者が非常に多いと混雑して渋滞を起こし、使えな くなる。さらに、利用者がたとえ少なくても、非常に大量のデータを流す人が 何人かいれば、 それだけで渋滞を起こすこともある。特に、音声と か動画などをどんどん流すと、まだ日本のインターネット網は非常に細いので、 ごく一部の区間を除いてすぐにパンクする。

1996年はインターネット博覧会の年であり、多くの企業や地方公共団体 などがすばらしいマルチメディアの展示をインターネットで行なう予定になっ ている。また、インターネット博覧会のために太い回線も用意された。

しかし、日本の大部分のインターネット利用者は、インターネット博覧会用 の太い通信回線に直接繋がっている訳ではなく、ほとんどの場合、いつも繋い でいるプロバイダを経由して見る。したがって、細い回線に大量の画像データ などを通して見ることになる。

しかし、今のところ感激するような、皆が見たくなるような情報がないので、 それほど多くの人が見ている訳ではない。人々がつまらない情報と思うことで、 インターネットの混雑が避けられている。

線以外に重要なのが、運用の問題である。それは、 コンピュータや通信の知識はもちろん、将来予測から事故対策、ユーザサポー トまで幅が広い。これらを完璧にやろうとすると無限の金が要るが、いい加減 にやるとトラブルが絶えなくなる

回線の太さなどは金で解決できる問題であり簡単であるが、運用の問題は技 術力や管理方針などに大きく左右されるので、プロバイダの規模で判断するの は難しい。

大手コンピュータメーカーとか、通信会社が運営するプロバイダは世間一般 では信用があるようだが、実際にそれらのプロバイダのインターネットサービ ス状況をみると、とてもそんな基準で判断してはならないことを思い知らされ る。

日、コンピュータメーカー系列の大手プロバイダの 末端に地方プロバイダを接続する作業を仲間がやったのであるが、またまた大 手プロバイダの 無知無能ぶり、かつ傲慢ぶりをさんざん体験させら れ、皆でやけ酒を飲みに行った。

事前にすべての連絡はしているにもかかわらず連絡はないので1ヵ月以上待 てという。その件の誤りが発覚すると、今度は事前に電話の一本も入れず、勝 手にインターネットの設定を変更してしまう。そのうえ、設定変更はミスして しまうが、変更後に確認すらしていないどころか、確認する意味すらないと 間抜けなことを言う

それで、なおかつ大手プロバイダの担当者たちは、偉そうに 威張りくさっていたのである。しかたがないので、 大手プロバイダのインターネットの設定ミスを全部反論の余地がないように、 それも丁寧な言葉使いで指摘して修正してもらって、なんとか接続できたので ある。もちろん、腹の中では、
「おまえらのような馬鹿は、プロバイダなんか やめちまえ。邪魔だ。」
と思いながら電話していたわけだ。

プロバイダだからコンピュータの知識はあると仮定するのも間違いである。 本屋に並んでいるコンピュータの入門書程度のことさえ知らないプロバイダは いっぱいいる。とにかくブームだから始めたい、あるいはメーカ系列で無理矢 理はじめさせられたりしたところは 無知蒙昧も甚だしい。プロバイダは、仕事の性格上、 誤った操作をすると、インターネットに接続された多数の企業や個人に迷惑が かかるのであるが、それすら知らないのがいる。

は、コンピュータメーカーは、コンピュータを作っ ているくらいだからコンピュータのことは知っているだろうと思うと、これも 当てにしない方がよい。良く知っているのは、コンピュータメーカーの中のご く一部の人間である場合が多い。

数年前の話だが、日本を代表する某大手コンピュータメーカーで、社内のコ ンピュータネットワークが停止して、全社的にコンピュータが使えなくなった。 コンピュータも機械であるので、故障するのはしかたがない。しかし、その大 企業に、当時、コンピュータネットワークのトラブルを調査しトラブルを解決 できるレベルの技術者は、 たった3名しかいなかった。そして、その3名が、 ちょうど事故が発生した時、休暇や出張で全員不在で、帰って来るまでの数日 間、コンピュータメーカーのコンピュータネットワークが完全に停止していた という呆れた話がある。

ロバイダに一番要求されるのは、人格である。脳の 神経細胞のように、複雑に絡み合い、互いに協調しながら動作するしかないイ ンターネットの世界では、大型コンピュータ時代の「囲い込み」、「鎖国政策」 は一切通用しない。インターネットでは、互いに協力しない限り、ネットワー クというものが空中分解してしまう。

しかし、まだコンピュータメーカーの首脳陣の頭は古いようだ。1円入札で 落札して、後は永久にお客にして、じっくりと食い物にするなんて 腐った根性がまだ残っている。それ以上に、管理職 とか、地方拠点などは、企業の知名度だけで商売をやってきたところがあるの で、特別に注意を払わないといけない。

あまりにもふざけたのがあると、私のホームページで 馬鹿さ加減、いい加減な対応の実態を紹介している。 すると、どういう訳か、最近は指摘されたプロバイダなりメーカーなりは短期 間に正常な状態になるようになった。

これも、私のページを、世界の主要なコンピュータメーカーのほとんどが毎 日見に来るようになったし、口うるさい大学関係者達の間で話題になっている こととも関係しているのだろうか。

私は、何もケチつけたくてやっているのではない。悪いものは悪い、良いも のは良いと事実を公表しているだけである。そして、事実が公表されることが 品質の向上につながり、日本がインターネット低開発国にならずにすむ道だか らやっている。

読者の方々も本当のことを書き、企業に嘘八百を並べさせないようにインター ネットを社会監視手段として有効に利用していただきたい。


Copyright1996 Hirofumi Fujiwara. No reproduction or republication without written permission
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