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あとがき


もう20年近くコンピュータの世界で生き延びてきたが、その間に私の周囲で起きた理 不尽極まり無いことが頭の中にどんどん蓄積し、その中から適当なエピソードを暇々に文 章に仕立てていた。そのうち、1冊の本にするに十分な量になったところで、どこかの出 版社から出そうと思っていたのであるが、内容が内容だけに、多くの出版社は逃げ腰になっ てしまう。そういうとき、技術評論社の人と別件で会っていたときに、この本が書き上が りつつある由を言ったら、見せて欲しいと言うことで、出版の日の目を見ることになった。

どの産業界でも、結構裏は汚ない。コンピュータ産業は、何といっても花形産業であり、 急激に伸びてきた分野だけに、各社の魂胆が入り乱れていて、その実態は酷いものである。 とくに、一般の人には近寄りがたく、また最初から難解至極な仕事と思われ、畏敬の念で 見られることも多いが、それを逆用して無茶をする企業も後を絶たない。

本書は、一言で言えば、「暴露のオンパレード」である。だから、胸のつかえを一気に 吐き出すように書いたと思うであろうが、これでもまだ相当セーブしながら書いている。 個人や特定企業を攻撃するのは目的ではないので、固有名詞は伏せてある。それ以外に、 内容的に何処まで明確に書くかの線引きが難しい。また、今の日本の文化水準では、どこ まで公表しても問題にならないかの検討もあった。問題にならないのも実は出版の目的か らは困るのだが、問題になり過ぎるのも困るのである。 本書の出版を苦々しく思っている者がいることも知っているが、その程度の人間とは、 これを契機に縁が切れればもっけの幸いである。

私は、コンピュータの研究開発と執筆、編集などを長年やってきたため、一般のコンピュー タ技術者以上に馬鹿げた事件に遭遇したことはあるかも知れない。しかし、重要なことは、 私自身が当事者またはその周囲にいたために見聞きしたことを書いていることだ。取材な どは一切行なっていない。取材は、いくら行なっても、当事者にはなれないし、どこまで 頑張っても聞いたことを整理したり、分析したりする程度に過ぎない。やはり、内部に身 を置いていることが最も重要であり、偶然そういう立場になった者が実態を曝け出すこと は、非常に意味がある。

なお、全ての企業や個人がこの本で書いているような無茶をする訳ではない。殆どの技 術者は必要以上に真面目であり、その他の人達も、多くは真面目である。殆どは有能では ないが、まあ真面目である。しかし、日本のコンピュータ社会全体が相当に病んでいるこ とは、本書に書いた通りであることは保証する。また、一般の技術者のレベルも相当低く、 東南アジア諸国に抜かれるのは時間の問題とも言える。一般の人達も、そういう諸々の状 況を知った上で、コンピュータと付き合って欲しい。

『プログラミング
Gauch』
O'Reilly Japan刊

鋭意作成中状況

出版記念
gauche.night

3/8(土)18:00〜
お台場
前売券:1500円
当日券:2000円

主催
オープンソース
Scheme言語処理系
Gaucheの愛好者団体

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