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下手糞なプログラム


まず、プログラムについて若干の説明をしておこうと思う。といっても、一 般の啓蒙書のような説明を行なうつもりはない。

プログラムという、何やらよく分からないもののお蔭でコンピュータが色々 なことを行なうことは知っていると思う。コンピュータ以上にワープロが普及 しているが、このワープロも所詮コンピュータで、文書を書くための専用のコ ンピュータに過ぎない。銀行で通帳に記帳するのもコンピュータだし、駅の自 動改札もコンピュータ、自動販売機の中にもコンピュータが入っている。ゲー ム機は実はコンピュータである。それどころではなく、家庭電化製品の中にも どんどんコンピュータが侵入し、コンピュータと無縁の家電製品を捜すのが難 しい時代である。

さて、これらの機械を操っているのがプログラムであるが、それは結局は人 間が作った物であり、そのプログラムを作る人間のことをプログラマと呼ぶ。

プログラムを作る会社は、プログラム・ハウスではなく、ソフトハウスと呼 ぶ。あるいはソフトウェア会社と呼ぶ。

実際にプログラムを作る作業といっても、さまざまな分野と、さまざまの規 模がある。一人の技術者が、ちょこっと何分かで作り上げてしまう程度のもの から、何十人、何百人もの人が携わるものまで千差万別である。このようなこ とをするコンピュータ技術者を、プログラマ、SE(エスイー)、システム・ アナリストなどと様々によんでいるが、この際そのような違いは些細なことな ので、本書の中では、プログラムを作る人のことを全て「プログラマ」と呼ぶ ことにする。

では、プログラムとは何なのであろうか。プログラムとは、プログラム言語 という、およそ一般人には訳の分からない文法をもった言葉で綴った文章なの だ。(これでは、さっぱり分からないだろう)

どのようなものか知りたければ、本屋のコンピュータ関連書籍コーナーへ行っ て、適当に本を取ってみるとよい。日本語で訳の分からぬ説明があり、図があ り、さらに全く訳の分からない記号の羅列みたいなのがある。これが、プログ ラムの正体である。まあ、コンピュータ技術者になろうと思わなければ特に知 る必要はない。また、プログラムが理解できるからといって偉い訳でも何でも ない。

身近にコンピュータがあり、コンピュータ技術者がたむろしているならば、 画面上に訳の分からない記号の並びを表示させて考え込んでいたり、盛んにキー ボードを叩いて何やら入力しているであろう。その画面に現われているのがプ ログラムである。

そして、ちょっとした処理をするのでも、この訳の分からない言葉で何百行 も書かなければならない。複雑な処理を行なう場合には、何万行、何十万行も 書かなければならない。そして、間違ったことを書いてしまうと、当然間違っ た動作をしてくれる訳である。

日本語の文章でも、全く下手糞で、何を言っているのか分からないのとか、 だらだら長いだけで、結局何を言いたいのだと思う文章に出会うことがよくあ るだろう。誤字の山であり、内容も誤りだらけなんてのもあろう。内容が難し いのでうんざりするのではなく、あまりにも下手で、読み続けることが不可能 な文章がよくあるだろう。

日本語の文章でもそういう状態である。英語などの外国語で文章を書くとし たら、できる人間はすらすらと用件を書き上げるであろうが、下手な人間が書 いたら、相手に書きたかったことは全然伝わらず、下手をすれば誤解され、せっ かくの取引はパーになってしまったり、損害を被るであろう。

プログラムの場合も全く同じである。下手なプログラマが書いたプログラム は、まったく精神分裂を起こした文章のようなプログラムである。上手な人が 書いたのは、分かり易くまとまっており、全体が自然な流れで出来ている。

こういう場合、どのくらい下手なものが作られるかを研究し、その結果を雑 誌に連載し、好評だったので単行本(参考文献1)にまとめた。まあ、世の中 には際限のないほど下手な職業プログラマがいるのである。もっと驚異なのは、 彼らにお金を支払う企業がいっぱい存在することである。

『プログラミング
Gauch』
O'Reilly Japan刊

鋭意作成中状況

出版記念
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3/8(土)18:00〜
お台場
前売券:1500円
当日券:2000円

主催
オープンソース
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Gaucheの愛好者団体

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