書 名 だから、潰れた! 副 題 新人OLが見た倒産までの波乱万丈 著 者 山本ちず 初 出 平成9年2月〜8月にかけて インターネット上で公開 単行本 平成9年12月フォレスト出版から、
『ソラミタコトカ 会社潰れてしもたがな!』として出版。発行日 平成11年6月15日 初版第1刷 発行元 株式会社 祥伝社 定 価 524円(本体) サイズ 文庫判 227ページ ISBN 4-396-31123-0 インターネットでの連載が本になり、そして文庫本になったものである。こ ういうことが実際に起こってしまうということは、頭の硬い連中には想像し難 いことらしいが、今はそういう良き時代である。
さて、本書は、『だから、潰れた!』という単純な、しかし普通のタイトル になってしもうたが、やはり前のタイトル 『ソラミタコトカ 会社潰れてしもたがな!』というのが、いかにも大阪ら しゅうて良かった。この方が、ユーモア一杯で、楽しそうではないか。
本書は、新卒で入った会社が、たった1年で潰れてしもうた話を書いたもの である。どんな会社でも、潰れるにはそれなりの訳があるはずで、それを新入 社員のというか、社会人1年生というまだ世間ずれしていない立場から見ても 潰れて当然ということで潰れた会社のルポルタージュというか、報告というか、 あるいは過去のウップンの憂さばらしも兼ねているような気がする。
しかし、まあ、面白いので、一気に読んでしまった。
本文のイラストも著者が全部描いたらしい。本文の状況解説になっていたり するのだが、ちょっと説明が過ぎるきらいがあった。
それにしても、社員数120名の会社で、こんなむちゃくちゃなことをやっ ていたら、まあ倒産は当然ですが、倒産後に、社長派、反社長派がそれぞれ新 会社を興すのだから、たいしたものです。
本書の主役は、なんといっても、社長の愛人で、取締役販売促進本部長。何 をやっても駄目なんだが、愛人という強みで会社のNo.2を維持し続ける。もし かしたら、もっとしたたかなのは社長か。正妻公認の愛人で、倒産後に興した 新会社でも、どうやら愛人を演じるようである。
ということで、この本を読んで、自分のいる会社に当てはめて考えて、あま りにも当てはまるようだったら、逃げ出すのを考えていた方が良いかも知れま せん。